日本の文部科学省は先ほど、小学一年生で使用される道徳の教科書検定で、「にちようびのさんぽみち」という教材に、日本の伝統的な「和菓子屋」ではなく舶来の「パン屋」が用いられていたことについて、「国や国土を愛する立場と相容れない」という結果を出し合格を認めなかった。
パン屋は非愛国的とされると、日本国内で物議を醸した。生活の風景となっているパン屋が、愛国と何の関係があるのかと疑問視されている。
本件はブラックユーモアのようだが、日本社会で最近騒がれている「教育勅語」を教室に持ち込む、銃剣道を中学校の体育教育に加えるといった出来事とつなげて考えると、日本の右翼思想が学校教育にまで蔓延という現象が見えてくる。これには警戒せざるを得ない。
日本政界の右傾化は日本人にとって、もはや新しい出来事ではない。しかし次の世代の教育については、右翼思想に警戒を維持している。
右翼教育機関・森友学園が先ほど、戦前の軍国主義教育の根幹をなす教育勅語を園児に暗唱させていた件は、右翼思想が学校教育に蔓延しているという問題を初めて日本国民に示した。これにより、懸念が広がった。
しかし本件が明るみに出ると、日本政府は戦後日本の歴代政権が貫いてきた、学校教育に教育勅語を使用しないという立場を改め、森友学園の教育勅語復活について弁解した。安倍政権は3月31日、「憲法や教育基本法等に反しないような形で教材として用いることまでは否定されることではない」との答弁書を閣議決定し、右翼思想の学校教育進出を公然と後押しした。
教育勅語の騒動が冷めやらぬなか、文部科学省は最新の中学校の学習指導要領で、体育教育に旧日本軍の日常訓練科目「銃剣道」を追加するよう求めた。この情報が明らかになると、再び日本人の間で物議を醸した。
日本の教育基本法は1947年に施行された。戦前の軍国主義教育と支配的地位を占めていた「皇国史観」を否定し、戦後日本の民主化改革の象徴的な出来事となった。しかし安倍晋三首相は2006年に初就任を果たすと、直ちにいわゆる「教育再生」に着手し、教育基本法の改定を行った。学生の「国を愛し、郷土を愛する心」を養うことを教育目標とした。
同法の改定は当時、戦前教育の復活に関する野党・教育界・国民の懸念を引き起こしたが、「日本会議」のような右翼団体の支持を受け、賞賛を浴びた。右翼教育思想の学校教育における復活については、日本の識者は次の世代に「毒入り饅頭」を食べさせるようなもので、最終的に日本を平和憲法改定と軍国主義復活の道に向かわせると指摘している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年4月13日