ところが日本の国力に限界があること、それから日米同盟の制限により、外交を展開する空間が残されておらず、選択肢も少ない。この状況下、日本は中国に対して最も現実的かつ効率的な「掻き回し外交」を展開している。
「掻き回し外交」とは、日本に対中外交の全面的かつ建設的な構想がなく、中国の外交の一挙手一投足を注視し、受動的に追随することを指す。中国の外交の展開を見て、これに対応することで、成果を割り引こうとしている。例えば中国が「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)を提案すると、次のような興味深い現象をよく目にするようになった。中国の指導者が行く所に日本の高官がついていき、中国が提案した条件よりさらに有利な条件を提案することで、対象国に疑問と戸惑いを抱かせている。中国の外交にとって敏感な地域、例えば東中国海・南中国海周辺及び北東アジアなどにおいて、この「掻き回し外交」はより露骨になっている。日本側は関連国に対して、一方的な行動により局面を打開するようそそのかしている。例えば南中国海では、フィリピンのアキノ政権に南中国海仲裁案の提訴から審理に至る一貫したサービスを提供し、中比関係を大幅に悪化・後退させた。
今回の日本政府の行為は、「掻き回し外交」の典型的な姿だ。日本が火事場泥棒を働こうとすることには、主に次のいくつかの目的がある。
まずは、中日の外交の駆け引きにおいて、有利な立場を占めることだ。トランプ大統領は朝鮮の核問題の処理について、朝鮮への制裁を拡大するため中国に協力を求めている。この重要な時期に日本が自ら事を構えることで、さらに朝鮮を刺激し、強硬な措置を取らせ、北東アジア情勢をより不安定にすることができる。これにより中国が受ける外交の圧力を拡大し、外交の資源を分散化させられる。日本はこの機会を利用し、中国との外交で有利な立場を占めようとしている。