ビジネスホテルを展開するアパグループは、客室内に歴史を否定する「右翼書籍」を設置したことで中韓の人々の強い不満を引き起こし、ボイコットを受けた。ところが同グループの元谷外志雄CEOは新書の出版記念イベントで、客室内の関連書籍の撤去を考えたことはなく、東京五輪だからといって撤去するつもりもないと述べた。多くの記事でこの発言が報じられているが、具体的にどの書籍のことかは言及されていない。環球時報の記者は4日の調査で、元谷氏が今年4月に『理論近現代史学』の完結本を出版したことを知った。
本書は巻頭に3枚の写真を用いている。1枚目は張作霖爆殺事件の現場の列車の写真で、2枚目は南京攻略前の蒋介石軍の漢奸討伐の宣伝ポスターで、3枚目は慰安婦を高待遇で募集する広告だ。本書は、張作霖が関東軍によって爆殺されたわけではなく、南京大虐殺は蒋介石らによる自身の罪を隠す捏造であり、慰安婦が強制連行されたものではないことが、この3枚の写真を見れば明らかだと称した。
ジャパンタイムズは3日「元谷氏は新書で、いわゆる南京大虐殺は『捏造』だとし、中国の軍人が現地で略奪と殺戮をほしいままにしていたと逆ねじを食わせた。日本軍は、軍服を捨て一般人の服を盗み、爆薬や武器を難民キャンプに隠す、変装した兵士だけを探し出して死刑にしたというのだ」と伝えた。環球時報の調べによると、本書はさらに、アパホテルが書籍の設置により、中国人から批判を浴びボイコットされた内容を記述していた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年6月5日