国連人権理事会の特別報告者、デービッド・ケイ氏は現地時間12日午後、スイスのジュネーブで開かれた国連人権理事会第35回会議において、日本の人権状況について報告した。ケイ氏は▽日本政府当局がメディアに直接的・間接的な圧力をかけている▽一部の歴史問題について、言論の空間が限られている▽安全保障面で、情報の入手が制限されている――という3点を挙げ、極めて懸念していると表明した。海外網が伝えた。
伊原純一・在ジュネーブ国際機関日本政府代表部大使はケイ氏の報告後、直ちに英語で強く反論した。「わが国の説明と立場について、一部の記述は正確に理解しておらず、遺憾の意を表する」
伊原氏は発言の最初から「日本国憲法は表現の自由を保障しており、言論の自由と報道の自由を最大限に尊重している」と強調した。報道の独立性への懸念については「政府が報道機関に対して違法・不当に圧力をかけた事実はない。放送法により放送の停止などを命令したことは一度もなく、圧力に使ったこともない」と述べた。
歴史教育をめぐっては、ケイ氏は教科書検定に対する日本政府の介入があると主張し、慰安婦問題に言及した際には「第二次大戦中の慰安婦虐待」との表現を用いた。一方、伊原氏は日本の教科書検定制度は「専門的・学術的な調査審議に基づくもので、政府が介入する余地はない」と反論した。
ケイ氏は沖縄における反米軍基地運動について、政府がデモを制限しているとして、状況改善を求めた。伊原氏は「我々はデモを含む表現の自由を最大限保障している。デモへの不必要・不適切な制限は行われておらず、法執行機関は適切に職務を遂行している」と反論した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年6月13日