80年以上前、米国の伝説の女性飛行士アメリア・イアハートが行方不明になったことは航空史上最大の謎である。彼女の失踪には多くの見方があり、最近になって「イアハートは1937年の航空機事故で生還したが日本軍に捕まり監禁死した」という驚くべき推測が持ち上がった。
イアハートは米国人女性で初めて大西洋単独横断飛行を成し遂げた飛行士である。彼女は1937年、初の世界一周飛行で双発機「ロッキード・エレクトラ」を操縦し、太平洋上空で消息を絶った。米国政府は100万ドルかけて探したが見つからず、1939年に死亡を認定。「ロッキード・エレクトラ」の失踪は謎のままである。
米国の歴史番組は2日、ドキュメンタリー『アメリア・イアハート:なくなった証拠』を放送し、「証拠」とされる昔の写真を初公開した。マーシャル諸島で撮影されたというこの写真には海を背に立つイアハートのナビゲーターを務めたフレッド・ヌーナンと、港に座るイアハートとみられる女性の横顔が写っている。遠くには大きな船の横に飛行機とみられる物体が浮いている。
米NBCが5日に放送したドキュメンタリーの一部から、顔識別専門家のケン・ジプソン氏は「男性の鼻、歯、髪の生え際を見るとこの人物の顔の特徴はヌーナンと一致し、女性の顔の特徴とショートヘアの生え際からこの人物はイアハートである可能性が高い」と判断。
ドキュメンタリーは、この写真は「イアハートとヌーナンは航空機事故で死亡したのではなく、日本軍に捕まり、日本の刑務所で死亡した」という推測を証明するとした。マーシャル諸島は大西洋中部にあり、第二次世界大戦で日本に占領されたことがある。