「復星集団が2015年に北海道のレジャー村を184億円で買収」「中国の永同昌集団が2016年、洞爺湖温泉の7万7000平方メートルの土地を一挙買収」「中国民間投資家が数千万円を投じ、札幌で旅館を建設」など、中国資本による北海道「攻略」に関する報道が近年、後を絶たない。この雪国の都は、中国人投資家にとって赤字のない投資の「聖地」なのだろうか。中国資本の北海道での投資の実情はどうなっているのだろうか。北海道は投資誘致のためどのような新制度を打ち出しているのだろうか。環球時報の記者は北海道の札幌、千歳、岩見沢、美唄、旭川などを訪れ、北海道の投資環境と中国人投資家が見落としがちな潜在的リスクを調査した。
北海道は「北海省」にならない
日本メディアは「中国脅威論」を喧伝する「北海道が中国の“北海省”になる日も遠くない? 事態は逼迫」と題した記事の中で「中国資本による北海道の農地や水源地の買収を食い止めなければ、地域における『食品安全保障』が崩壊する恐れがある」と伝えた。「中国人が北海道で不動産を爆買い」に関する報道が後を絶たず、一部の日本メディアはさらに「北海道が中国人に占領される」と脅かしている。
旭川観光コンベンション協会の若宮博光氏は、環球時報の記者に対して「それほど大げさなことはない。北海道で森林と水源を購入している中国資本は、せいぜい10%未満の割合だ」と述べた。北海道観光振興機構海外事業推進部次長の佐々木潤氏も「森林と緑地に儲けの見込みはなく、投資の価値はない。購入する中国人は土地所有権を重視し、中国では手にできない優越感に浸っているだけだ。私も記事を読んだが、北海道が中国の省になることはない」と一笑に付した。
中国資本の北海道における投資規模は、どの程度なのだろうか。どの分野に集中しているのだろうか。急増する傾向はあるのだろうか。北海道庁国際経済室は取材に応じた際に「系統的な調査と統計がないため、北海道に進出する中国資本が激増しているかは判断できない」と回答した。
北海道の投資事業に詳しい関係者は「北海道は中国企業の日本における主な投資先ではない。北海道の産業構造は単一的で、農業と観光業が中心になっている。海外企業のこれらの産業に対する需要は少ない。中国企業の日本での投資は、東京と大阪に集中している。北海道に投資する中国企業は、不動産を購入し、レジャー観光産業を発展させようとしている。例えば先ほど華東地区の民間企業が、北海道の大型不動産の買収に成功したが、これをビューホテルにしようとしている」と説明した。中国資本による買収後の、経営状況はどうなっているのだろうか。同氏は「中国企業の北海道でのプロジェクト運営時間は短いため、具体的な経営状況については今後の経過を見守る必要がある」と答えた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年7月10日