5つのリスクに要注意
中国を含む外国資本を誘致するため、北海道は先ほど一連の優遇策を打ち出した。北海道庁国際経済室は、現地の涼しい気候条件を利用し、「ビッグデータセンター」の建設を推進し、札幌を中心とするIT産業を発展させたいと表明した。注目すべきは、北海道で「データセンター」「新エネ製造」などの成長型産業に投資する場合、一定条件を満たせば補助金を申請し、免税制度の適用対象になることが可能だ。
また北海道は積極的に投資講座を開き、海外投資家を視察に招いている。中国では北海道上海事務所を通じ、投資家と意見交換している。北海道は現在、地域コミュニティ建設と、調和的な共同繁栄を促す投資プロジェクト積極的に推進している。コミュニティとの交流を重視し、長期的に発展するプロジェクトは成功を収めやすく、その逆であれば地域に馴染めないだろう。
北京盈科(上海)弁護士事務所の彭涛弁護士は、中日企業の法律顧問を務めている。彭氏は取材に応じた際に、中国企業の北海道投資には次の5大リスクがあると指摘した。(1)海外の法制度、ビジネス習慣、社会文化の理解不足。(2)人脈不足、現地で需要にマッチする提携先や専門家(サプライヤー、財務コンサルタント、弁護士、会計士、税理士)を見つけられない。(3)中日両国のビジネス習慣と社会文化を熟知する従業員の不足、日本側と効果的にコミュニケーションできない。(4)中国側の対外投資関連規制が、プロジェクトの進捗に影響を及ぼす。(5)中日両国のビジネス文化、企業経営方法などに大きな差があり、買収後の経営と統合に時間がかかる可能性がある。
彭氏は最大限にリスクを回避するため、中日企業と文化を理解する法律チームの発足が特に重要であり、中国では重視されないが日本では重視されるリスクに注目する必要があると指摘した。例えば土壌汚染だが、中国では買収後、土壌汚染の調査はまだ重視されていない。しかし日本で土壌が汚染されていれば、この土地にある不動産の使用が規制される可能性がある。それから日本は従業員保護を重視し、観光産業投資には多くの日本人従業員を雇用する必要がある。事前に日本の法律を理解すれば、人件費や注意が必要な法的問題を把握できる。
記者の調べによると、訪日中国人客はすでに「爆買い」を終え、「体験型消費」に転じている。最近のトレンドは「多目的旅行」だ。例えば観光、医療、マラソン、サイクリング、ビジネス・投資環境視察など、一挙両得の旅行の人気が高い。各分野をまとめる「オーダーメイド型旅行」が、中国企業にビジネスチャンスをもたらす。彭氏は、中国企業の対日投資が全体的に増加するなか、北海道に投資する中国企業も今後増加するため、北海道の発展の潜在力を楽観視できるとした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年7月10日