スキャンダルに陥り、仲間が問題を起こし、国民が憤っている。再任後で最大の政治危機を迎えた安倍晋三首相は今月3日、内閣改造と党人事に取り組み、局面を打開し内閣のイメージ回復を図る。
森友学園問題、加計学園問題、日報隠蔽問題で苦境に陥った安倍政権は、今回の内閣改造で局面を打開できるだろうか。
【内閣改造、実力者の起用で支持率回復なるか】
安倍首相は1日の自民党高官会議で、上述した決定を発表した。人事ではこれまでのスキャンダルの影響を減らすため、麻生太郎副首相兼財務大臣、菅義偉内閣官房長官、世耕弘成経済産業大臣、連立与党を組む公明党出身の石井啓一国土交通大臣の留任を決定した。
安倍内閣を離れることが噂されていた岸田文雄外務大臣も留任。加計学園問題に巻き込まれた松野博一文部科学大臣、山本幸三地方創生担当大臣、改正組織犯罪処罰法(いわゆる「共謀罪」)の審議で閣僚の資質を問われた金田勝年法務大臣が交代となる。
稲田朋美前防衛大臣の辞職を受け、安倍首相は実務能力の高い、元防衛大臣の小野寺五典氏を再び起用し、悪影響を避けようとしている。
安倍首相はさらに友人の右翼分子、櫻井よしこ氏を文部科学大臣として入閣させようとしている。野田聖子氏、土屋品子氏らも入閣する可能性がある。また靖国神社を繰り返し参拝している高市早苗総務大臣も交代となる見通しだ。丸川珠代五輪担当相は、獲得した自民党員数が少なかったことから、交代は避けられそうにない。
【信頼回復は困難か】