資料写真
素材の取捨選択
この長編ドキュメンタリーでは22人が描かれた。限りある時間の中ですべての人にこれらの老人を覚えてもらうというのは不可能に近い。素材の選択にあたっては多くの要求があり、取捨選択が行われた。
郭柯監督によると、素材選びの唯一の基準は、観衆がこれらの老人を受け入れ、彼女らを好きになれるようにするということだった。「例えば日本の鬼を殴ったことがあるという老人は、かんしゃくを起こしやすく、すぐに喧嘩をするという一面もあった。だが観衆が触れることのできる時間は十数分に限られており、私たちのように一週間以上付き合って、彼女らの性格をよく知るというわけにはいかない。完全に真実で平常な様子によって、彼女らのことを皆さんに伝えたいと思った」。
郭柯監督が老人たちとおしゃべりをするプロセスでは、楽しいことにも話は行くが、昔のことに触れないわけにも行かなかった。「私は皆さんに、変わることのできる方式で彼女らを見てほしい。生き生きとして、普通で、私たちの回りの老人と変わらない。好きになれるようにするという言葉は深すぎるかもしれない。もっと表面的に言えば、外の世界に彼女たちを受容させるということだ。この老人はどれだけ惨めだとか、深いしわが刻まれているとか、そんなことは言えない。そんなことには意味はない。彼女たちのうちの私の好きな所を皆さんに伝えようと思った」