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エンディングは葬儀
作品のオープニングとエンディングはどちらも葬式のシーンが使われている。監督は、これがこの作品にとっての運命なのではないかと語る。
映画のエンディングは、大雪に覆われた山野が舞台だ。老人の墓が静かに山に立っている。カメラは少しずつ移動し、冬からやがて春が来て、墓には緑の草が茂り始める。このエンディングにはどのような意味があるのか聞かれると、郭柯監督は語った。
「正直に言って、精確な意味は私にも説明できない。果てしない雪原をながめていたらこんなことを思った。誰しもいつかはこの一歩にたどりつく。彼女らもそうやって歩いてきた。もし私たちがこのまま目を向けなければ、彼女らも、雪に覆われた山野にひっそりと埋もれていくことになるだろう。(10秒の沈黙)葬式をエンディングにしたのは、私にとっては、そんな思いを皆さんと分け合いたいということだ。私の社会に対する認識と人生経験には限りがある。だから何かをあえて説明したいとは思わない。自分の思想を持ち込めば偏狭となることを免れない。このような方式なら観衆と互いに交流し、皆が思考することができる」