それから、中国人には大局観がある。中国の外交の基本原則は平和的共存だ。中国は一貫して周辺外交と、隣国間の友好交流を重視している。また中日が共に暮らすアジア太平洋の発展にとって、中日両国は地域最大の開発途上国と最大の先進国だ。中日関係の健全な発展は、両国民の根本的な利益に合致するだけでなく、アジア太平洋全体の平和的発展と繁栄にとって極めて重要だ。そのため中国は比較的安定した周辺環境、地域の多くの国の期待に合う協力関係を手にしようとしている。これは中日両国の大局であり、またアジア太平洋の長期的な発展の大局だ。中日国交正常化から45年に渡り、中国はこの理念に基づき二国間関係の食い違いを処理し続けており、両国関係の全体的な安定という基本構造を守っている。
それでは、中日関係の現実と未来をどのように見るべきだろうか。現在の中日関係が、国交樹立以降で最も苦しい時期を迎えていることは否定できない。この問題を直視すると同時に、両国が直面している国際・国内環境に大きな変化が生じていることにも目を向けなければならない。
まず、中日の経済力のバランスに大きな変化が生じた。1970-80年代に中日両国が蜜月期を送れたのは、中国がまだ貧しく立ち遅れた国であり、日本が世界2位という高みに立っていたからだ。ある経済大国と、対外開放を始めたばかりのある国は、交流が比較的容易だ。現在の状況は完全に変わっている。今の中国のGDPはすでに日本の2倍以上であり、最大で2.7倍に達している。この差はさらに急速に拡大中だ。日本も中国もこのパワーバランスの逆転に慣れておらず、両国の食い違いが徐々に拡大している。
それから中国の急台頭により周辺諸国が不安になっており、特に日本は中国の未来の動向を疑っている。中国が強くなればアジアを支配し、世界で覇を唱える。あるいは中国が強くなれば矛先を日本に向け、過去の戦争の恨みを晴らすという声もある。この心理は当然ながら、両国間のさまざまな衝突を激化させている。
他にも、中日間には近い将来に突破口を見いだせない、数多くの問題が存在することを認めなければならない。これは歴史認識問題、釣魚島問題、領海基線問題などだ。これにより中日関係は今後、協力しながら競争し、競争しながら衝突し、衝突しながら対抗するという複雑な関係になる。
中日が直面する国際環境が複雑化するに伴い、中日関係の「友好」の中身も複雑になるだろう。ただ盃を交わし握手をすれば友好と言うわけにはいかず、摩擦が生じれば非友好的と判断するわけにもいかない。未来の中日関係は、摩擦があれば衝突もあり、同時に協力もあるという、多くの要素が共存する状態になる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年9月27日