第2の点については、中国とアジアの変化の歩みを簡単に振り返ってみれば、正しい答えを難なく得られる。中国は広大な領土と悠久の歴史を持ち、光り輝く文化を創造し、人類文明の進歩に重要な貢献をした。だが近代に立ち後れたことで、自国が悲惨な境地に陥っただけでなく、アジアも長期間の混迷と戦乱に陥った。1949年に中国は新たな生を得、半世紀余りの努力を経て、台頭の道を歩み出した。かつて帝国主義による侵略の苦しみをさんざん受けた中国は、平和共存五原則を堅持し、協力・ウィンウィンを核心とする新型の国際関係の構築を推し進め、アジアさらには世界の平和と発展に重要な貢献を果たしている。中国とアジア各国の互いの努力で、アジアはGDPで世界首位に躍り出た。その50%近くを中国が占める。
柳澤協二元内閣官房副長官補は「中国と軍拡競争をすれば、日本は遅かれ早かれ持ちこたえられなくなる」「日本はアジア各国との政治協力を基本的問題として考えるべきだ。集団的自衛権の行使という考えは敵がいることが前提であり、かえって敵対関係を激化させる。これはアジアにとっても、日本にとっても良い事ではない」と指摘した。
第3の点については、正しい認識を確立するには、日米軍事同盟の役割と変化に対して正しい判断をしなければならない。
日米軍事同盟関係は平等な互助関係では決してない。日本ファシズムに打ち勝ち、平和憲法の制定を推し進める過程において、米国は重要な役割を発揮した。だがその後まもなく、世界は冷戦時代に入り、米国は日本を冷戦の軌道に組み込むべく努力した。日米安保条約締結前、米軍当局は「米国の安全保障上の利益は『日本を極東の作戦基地として利用する権利を米国に授けること』を求めている」と表明した。また、敵対発生時に、日本軍は米国の指定する最高司令官の統一的指揮下に置かれるべきだともした。こうした要求が条約に完全に盛り込まれることはなかったが、事実上日米安保関係を貫いている。日本は駒の1つとして、米国の戦略の将棋盤に置かれている。
中国を仮想敵国として、日米同盟関係の強化に努める時、安倍氏はこうしたやり方が日本に何をもたらすのかを真剣に考えてみるべきだ。中日両国民は困難や曲折を何度も経て、ついに45年前に中日関係を正しい道に乗せ、中日両国に多大な戦略的利益をもたらし、アジア太平洋地域の平和・発展も力強く促進した。今日われわれは、歴史を逆行させる行為は結局は両国民に拒絶されると自信をもって言える。(編集NA)
「人民網日本語版」2017年9月29日