第二の理由は中国人の消費行動の急速な変化だ。製品の安全性に対する懸念の高まりや不動産価格の高止まり、両親の介護にかかる負担の拡大などにより、中国の中産階級は消費支出に対してますますシビアになっている。このため低価格な大衆向け製品よりも、高級な製品やサービスを求める傾向がある。これには二重の效果がある。一つは、車を購入せず、相乗りサービスを通じて節約したお金が、その他の高額な買い物に使われる。もう一つは、旅先で豪華住宅に宿泊するなど、共有サービスによって得がたい体験を実現できる。
第三に、最も重要な理由として考えられるのは、阿里巴巴(アリババ)グループの支付宝(アリペイ)やアップル社のアップルペイなどのモバイル決済業務が拡大していることだ。中国のモバイル決済額は昨年、米国の50倍に達した。最近では、中国の消費者が携帯電話を決済端末にかざしたり、QRコードをスキャンしたりして小額の支払いを行う姿が一般的な光景となっている。
こうした状況から見れば、今後の世界で多くの革新的なシェアリングエコノミー業務が生まれるのは中国であり、シリコンバレーではないと考えられる。中国のシェア自転車はすでに東南アジア市場に参入し、現地でもこの業務を模倣した企業が現れている。もちろん時間や金銭の浪費に終わる業務もあるだろう。だがいつか、中国が共有型社会で世界の手本となる日が来る可能性は高い。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年10月1日