2011年3月11日、日本の東北海域でマグネチュード9.0の地震が発生し、大きな津波を引き起こした。地震と津波の影響から、福島第一原発の4つの発電ユニットで異なる程度の事故が起こった。そして放射能が持続的に外に漏れてしまった。東京電力はその後、1号機から4号機までの原子炉を廃炉にすることにした。
福島原発事故はチェルノブイリ原発事故以降で最も深刻な原発事故であり、放射能漏れによって20キロ圏内に住む8万人に避難生活を強いることとなった。放射能低減後、一部の場所で避難解除されたが、多くの住民は今後数十年間、元の家に帰れない。あるいは永遠に帰ることができない。
福島原発の原子炉内部の放射線量は、誰も近づくことができないほど高い状態にある。もし近づけば数分の内に死ぬだろう。現在、わずか数台のロボットがその中を撮影しながら、今後の行動計画を決めている。大気中に自然に存在する放射能は毎時0.02マイクロシーベルトである。しかし福島第一原発の2号機と3号機の原子炉の放射能は300マイクロシーベルトを超えている。
この放射能レベルの場合、その場に3時間いたことで受ける放射能はWHOが定める「1年あたりの放射能は1000マイクロシーベルト以下」の上限を超える。1週間で10万マイクロシーベルトを超え、がんになる可能性が大幅に高まる。
これは、福島原発の最前線で奮闘する7000名以上の作業員が5年以内に受ける放射能の上限でもある。これら作業員のうち、約1000人が東京電力から来ており、それ以外の人々は処理業務を請け負った現地建築会社から派遣されている。彼ら“福島の英雄”は、日給3万円で見ることもできず感じることもできない敵と、命を懸けて戦っているのだ。
メルトダウンした原子炉内の炉心は現在の技術では取り除くことができない。唯一の方法は常に水を注いで温度を下げることだ。大量の冷却水の中にある放射性汚染物を除去するために、福島原発では最新型の水処理施設を導入している。現在、1日あたり210立方メートルの水を処理しているが、地震や津波が発生しやすい地域だけに、地下水汚染は依然として今後の大きな問題の1つとなっている。
福島原発が完全に廃炉になるまで約40年かかる。その費用は少なくとも720億ドルと見込まれている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年10月21日