トランプ氏の訪日から、米日同盟の今後を占う

トランプ氏の訪日から、米日同盟の今後を占う。

タグ:トランプ氏 訪日 米日同盟

発信時間:2017-11-09 15:37:25 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 米日が同盟関係を強化するのは、中国に対する共通の「問題意識」によるものだ。一部の米国の戦略学者は、米国のアジア太平洋における主な安全問題には朝鮮という「切実な脅威」もあるが、それよりも重要なのは台湾海峡の「潜在的危機」及び中米の東中国海・南中国海で起こりうる衝突だと指摘している。さらに長期的ないわゆる脅威はこうだ。中国が地域での影響力を増し、より能動的に地域秩序を構築することで、「地域のバランスと安定的な価値観が、台頭する大国によって損なわれる」というのだ。米国は中国の台頭を常に懸念・警戒しており、日本の力を借りて中国の影響力を相殺しようとしている。中国に対して戦略的な競争の心理を日増しに強める日本も、同盟関係を頼りに中国けん制の強化を試みている。トランプ大統領は訪日した際に、安倍首相の「自由で開けたインド太平洋戦略」を公然と支持した。これは地域レベルで米日が共同で中国をけん制し、覇権を守る意向を示した。


   しかしそれと同時に、現実主義的な大国の外交を重視するトランプ大統領は中国と深く接触し、重大問題で中国と連携さらには協力することを模索している。戦略的に米国追随を決めている日本は、米国が再び同盟国を抜きにして中国と交渉することを常に懸念している。日本が米中から疎遠にされ、中米日の交流において非主流化する受動的な局面になることを懸念している。米国がアジア太平洋戦略のすべてを日本に託すことはない。日本は米国の動きを注視しながら、アジア太平洋のその他の「中堅国」を積極的に抱き込むことで、地域外交の基盤を固めようとしている。中日関係の改善を求め、退くための余地を残している。

 

 トランプ大統領の訪日で、米日は「相互の約束」のアピールを続けることで、同盟関係の維持と強化を図った。しかし双方は利益の目標をめぐり溝を残していることにも気づいている。トランプ大統領のアジア太平洋戦略の基本的な目標は、同地域におけるパワーバランスを米国にとって有利なものとし、特に地域の同盟国に対する安全の約束の信頼性を維持することだ。軍事安全面で、米日は新防衛協力のための指針の具体的な内容を実行に移すことで、同盟関係の内容を軍事情報の共有、装備品・技術交流、合同演習などの従来の内容から、さらには平時及び有事の際の施設及び部隊の「相互運用」と「切れ目なき連結」まで拡大しようとしている。米日の軍事一体化は地域の安全情勢に、引き続き深い影響を及ぼす。しかし二国間レベルで、米日関係の不確定要素は短期間内に解消されない。米日の経済・貿易問題をめぐる摩擦と食い違いは、二国間関係のマイナスの要素になる。トランプ大統領の「米国ファースト」を前提とする反自由主義・一国主義の傾向により、いわゆる「普遍的価値観」を貫き米国の戦略に協力しようとする日本の外交政策を矛盾した状態に陥れる。いかに中国に対応するかをめぐり、米日の認識と対策にもズレがある。これにより中米日関係は引き続き、微妙なバランスを維持することになる。(筆者 盧昊・中国社会科学院日本研究所副研究員)



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