氷と雪の季節が終わり、絵のように美しい田舎の景色が広がる。丘に茂る木々の鮮やかな緑、咲き誇るスズラン……。日本の東京オペラシティのリハーサル室では21日午後、中国人指揮者・呂嘉の指揮する東京フィルハーモニー交響楽団がチャイコフスキー「交響曲第5番」を演奏し、交響曲のおりなす優美な自然絵巻へと聞いていた人びとをを導いた。
「音楽には言葉や国境、歴史の壁がない。音楽は人類に共通の感情を呼び起こす。今回の公演では、中日両国民の友情をより深め、平和と友好の未来への展望を示したい」。1回目のリハーサルを終えた呂嘉は記者にそう語った。
今年は中日国交正常化45周年の年に当たる。東京フィルハーモニー交響楽団は24日夜、これを記念する特別演奏会を開く。中国国家大劇院の音楽芸術総監で管弦楽団首席指揮者の呂嘉が指揮を執り、ピアノ協奏曲の独奏はイタリア人ピアニストのセルジオ・バイエッタが担当する。
今回の曲目には、チャイコフスキー「交響曲第5番」やラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」のほか、中国の曲目である「紫竹調」も採用された。
呂嘉によれば、中日両国の間には、切っても切れない文化的つながりと歴史的関係があり、中日友好は、アジアさらには世界の安定を促す作用を持っている。「日本の音楽家と観衆に文化の美しさと文化が内心からあふれるものであることを感じてもらいたい」
国際的に知らえた華人指揮者である呂嘉はこれまで何度も、世界一流のオペラハウスや管弦楽団との協力を展開してきた。だが東京フィルハーモニー交響楽団との協力は今回が初めてだ。