同氏はさらに、もう一つの理由を挙げた。2013年の防衛計画の大綱の「国際平和協力活動」では、「ジブチ基地のさらなる柔軟な活用を検討する」とされており、基地はさらに在外邦人保護の訓練に用いられることになるというのだ。
非営利団体「ピースデポ」副代表の湯浅一郎氏は、「海上警備が理由だったことはなく、(自衛隊派遣と)まったく関係ない」と苦笑を禁じ得ない。
「行動の位置付けがはっきりせず、その場に居座り立ち退かないというのが現状だ。実際には原油などのシーレーンを確保するほか、国として海外基地を持つ願いがあり、既得権益を失いたくないのだろう」
ジャーナリストの布施祐仁氏も「在外邦人救助任務の名義で建設した施設を、恒久的な海外基地にしようとしている。これは海賊取締の目的とはかけ離れている」と批判した。
米国の意図も見え隠れする。「植民の歴史を持つアフリカとは異なり、アフリカ諸国は日本の方を信頼している。そのため(米国は)日本に平和維持活動に参加させようとしている可能性がある」
米国の世界戦略、海外基地を保有しようとする日本の狙いが一致した。
湯浅氏は「恒久的な海外基地の建設は、憲法9条の専守防衛の原則に背く。海賊対処法が施行されると、自衛隊の護衛艦と哨戒機は米軍が担っていた職責を担ってきた。安保法が可決されると、自衛隊の艦船と米軍の艦船が東中国海・南中国海で共同活動している。この行動範囲を世界に拡大する方法により、反米勢力は日本をも敵と見なすかもしれない」と懸念した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年11月27日