日本の非鉄大手、三菱マテリアルの竹内章社長は24日の記者会見で、三菱電線工業、三菱伸銅、三菱アルミニウムの子会社3社に製品技術データ改ざんの問題が存在することを認め、謝罪した。
三菱マテリアルの不適合品出荷先は世界274社に拡大し、航空・宇宙産業、自動車製造業、機械・装備品、電子設備などの業界に影響が及んでいる。三菱電線工業の村田博昭社長は、不適合品が取引先以外の企業に使用されているかは把握しがたく、影響を受ける企業数が今後さらに増加する可能性があると認めた。
本件はこのほど危ぶまれていた日本製造業の信頼に再び重傷を負わせた。
組織的な関与を疑う声も
三菱マテリアルの製品データ改ざんが明るみに出ると、同社の同問題把握後の処理も疑問視された。
三菱マテリアル発表した情報によると、三菱電線工業は2月の社内調査でデータ改ざん問題を見つけており、3月に経営層に報告を行ったという。しかし問題製品の出荷にストップがかかったのは10月23日になってからだ。
ところが三菱電線工業の親会社である三菱マテリアルは10月25日に報告を受けると、約1カ月後の11月23日になりようやく情報を開示した。三菱マテリアルによる組織的な行為を疑う声が多い。
神戸製鋼所の出荷製品技術データ改ざんは、国内外の数百社に影響が及び、現在も事後処理が行われている。JR東日本とJR西日本は部品交換の巨額の経費負担を求める方針で、米司法省も事件の影響の徹底調査に着手している。将来的に巨額の罰金や賠償を命令する可能性も否定できない。