宮本雄二:変化する世界での日中関係の正しい位置付けを

宮本雄二:変化する世界での日中関係の正しい位置付けを。45年前の1972年、日本と中国が国交正常化という外交成果を実現したのは容易なことではなかった。国交正常化実現のさらに45年前、つまり1927年から45年にわたって日中両国は一貫して戦争・対立の状態にあった…

タグ:国交正常化 45周年 協力 改善

発信時間:2017-12-04 11:04:43 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 日中国交正常化の45周年にあたる今年もあと1カ月で終わろうとしているが、両国関係には喜ぶべき変化が起こりつつある。第一に、両国の指導者がしばらく前、ベトナム・ダナンで会見を実現した。第二に、日本最大規模の経済界の代表団が11月20日から中国を訪問し、李克強総理との接見の機会を得た。


新たな3つの問題


 45年前の1972年、日本と中国が国交正常化という外交成果を実現したのは容易なことではなかった。国交正常化実現のさらに45年前、つまり1927年から45年にわたって日中両国は一貫して戦争・対立の状態にあった。だが当時の両国指導者は大局を重んじ、大胆さと豊かな見識によって、両国関係の困難を克服し、「平和、協力、友好」という日中関係発展の方向と原則を形成した。当時の指導者は自らが戦争を経験しており、戦争がもたらす死と苦痛とを体験していた。このため彼らは、日中両国がこれ以上対立を続けることは許されず、互いの憎悪を解消するために努力しなければならないと考えていた。日本側の指導者は、日本による中国侵略の歴史を深刻に反省し、中国側の指導者も、寛容さをもってこれに応えた。1972年の「日中共同声明」はまさにこうした精神の反映である。


 ここ数年、中日関係は谷間に陥ったように見える。特に次のいくつかの問題が出現している。まず両国の領土紛争が再び際立つようになり、軍事上の直接的な対立さえ出現している。日本と中国はこれまで、良好な経済関係を土台として、両国の政治関係を保持してきた。だが軍事・安保問題の出現で、経済的な力ではすでに、両国の政治的な信頼関係をつなぐことができなくなり、これによって逆に経済的な関係も冷え込み始めている。


 第二に、中国の経済規模が日本を超えたことが新たな問題を生じさせている。中国が日本を超えて世界第二の経済体となったことは、双方の国で極めて大きな影響を及ぼしている。両国が微妙な関係にあり、国民感情も敏感であることから、互いを見る際にも間違った態度に陥りがちとなる。日本人の一部は中国の影響力の拡張を過度に恐れ、中国人の一部は日本の重要性を過度に低くみている。そうなれば両国の距離はますます拡大し、「平和、協力、友好」という両国関係の原点も少しずつ忘れられていく。


 第三に、両国国民は自国メディアを通じて、相手国に対して、ますますネガティブな印象を強めている。両国民間の好感度は急落し、日中関係の国民的な土台は日を追って弱まりつつある。


新たな協力が必要に

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