『ザ・ディプロマット』によると、豪州は2016年4月に、フランスから新型潜水艦隊を導入することを決定した。一部のアナリストが予想していた日本の高級潜水艦でなかったため、日本側は不満を表した。この取引で日本は初めて軍事武器の輸出に踏み切り、憲法の限界を突破しようとしていた。豪州は一転してフランスからの導入を決定したが、中国による反対が重要な要素だったとされている。
そのため豪州が日本と訪問軍協定を結ぶのは、潜水艦の件の謝罪や補償のようなものと見なされている。豪州側のこの措置は、中国に圧力を与える。中国からの懸念により日本から新型潜水艦を導入しなかったかもしれないが、日本との緊密な連携を維持していくことを知らせる目的がある。
訪問軍協定の締結は、日本の正常化を促進する豪州の立場に問題をもたらす。日本が世界で力を増すことは豪州にとって有利なようだが、両国の共通の価値観と自由・規範への約束を考えると、双方の発展の未来に重大な影響が生じうる。朝鮮半島の緊張情勢は、安倍首相が日本の正常化を実現する動力を提供しているが、朝鮮が軍事面でより強硬な姿勢を示すことで、安全の苦境に陥る可能性もある。
豪州にとって、これらの問題は利害を左右する。豪州の繁栄は、これらの地域と密接につながっているからだ。日本のほか、中国は豪州にとって最大の貿易パートナーであり、韓国も4番目につけている。そのため北東アジアの安定維持は、豪州の国益にとって極めて重要だ。
しかし米国の意図と方針を読み取れないことから、豪州はその他の地域で類似する役割を模索し、中国の台頭による潜在的な「脅威」の現状を維持しようとしている。日本は依然として高い能力を持つ国だ。そのため豪州は日本との安全協力の強化を模索すると同時にバランスを取り、日本の軍事構造に劇的な変化が生じることを歓迎しない。これは地域のバランスを乱す可能性があるからだ。豪州は双方の協力を一歩一歩と着実に実現することを決めたようだ。例えば訪問軍協定の調印により、合同演習などの多国間協力を実現する。また最近になり米国やインドと再開した四カ国協議により、緊張情勢に対処する大きな力を手にした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月4日