弾道ミサイルの発射に備えた避難訓練が22日、日本の首都・東京の文京区で行われた。市民数百人がみぞれの降るなか「避難」した。一部の市民は避難場所で、脅威を煽ることは無意義と抗議した。
東京都文京区で同日午前10時頃、「ミサイルが発射されたものとみられます」との警報が流れた。約250人の住民と政府職員が警備員に率いられ、地下鉄構内などの避難場所に移動した。現地の遊園地で、職員は稼働中のアトラクションを停止し、利用客に屋内に避難するよう求めた。文京区では人々が両手で頭を隠してしゃがみ、ミサイル通過を待った。
訓練会場では避難訓練に反対する市民ら数十人が、「落ちるのは米軍のヘリだ」「頭を抱えず、対話を」などと叫んだ。元自衛官の井筒高雄氏は朝日新聞に対して「国は公共の場所にシェルターも備えていないのに、住民に『逃げろ』というのは無責任だ」と批判した。
総務相消防庁によると、弾道ミサイルを想定した国と自治体による住民避難訓練は昨年3月に秋田県で始まり、今回で27例目だ。東京都によると、都内での訓練は初めてだという。
法政大学の奈良本英佑名誉教授は、訓練の意義を疑問視し、朝日新聞に対して「不幸にも日本が戦争に巻き込まれた場合、狙われるのは在日米軍基地、自衛隊基地、原発だろう。都心部であえて無意味な訓練をするのはなぜなのか。訓練映像を国民が目にすることで、『危機が迫っている』という世論を作る目的があるのではないか」と話した。
日本国内では、安倍政権が朝鮮の脅威を誇張し、平和憲法改正の地ならしをしていると指摘する声もある。安倍首相は22日、自民党両院議員総会で、改憲への強い意欲を示し、「間もなく実現の時を迎える」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月25日