今月24日から始まった日本の衆議院各党代表質問において、安倍晋三首相は自ら主張する憲法9条に自衛隊の存在を明記する改憲案について「自衛隊員に『憲法違反かもしれないが何かあったら命を張ってくれ』というのは無責任だ。そうした議論が行われる余地をなくしていくことが私たち世代の責任ではないか」と述べ、各党に議論を強く呼びかけた。日本メディアが伝えた。
安倍首相は9条に自衛隊を明記する案について、「自衛隊の任務と権限に変化が生じることはない」と説明した。憲法は国の理想の姿を示すものだと指摘し、「時代の節目にあって、どのような国造りを進めるかという議論を深める時にきている」と述べた。
立憲民主党の枝野幸男代表は、憲法は主権者が政治権力を制限するルールだと指摘し、安倍首相の憲法観について「一党独裁の国でなければ、各政党の綱領や政策を通じて示し、選挙によって修正していくべきだ」と批判した。
希望の党の玉木雄一郎代表も、自衛隊を明記する案には問題があると判断し、9条2項を維持して自衛隊を明記する改憲案について「矛盾を固定化、明文化することになる」と指摘した。
枝野氏と玉木氏は、防衛省の長距離巡航ミサイル導入方針について、憲法9条の専守防衛との整合性を疑問視した。安倍首相は、専守防衛の範囲内で防衛装備品を強化するものと述べ、「自衛隊機が敵の脅威の範囲外から対応することでき、隊員の安全性を確保できる」と説明した。
自民党の高村正彦副総裁は24日、東京の講演で自民党改憲案について、戦力不保持を定める9条2項を維持して自衛隊を明記し、3月の党大会までに意見をまとめると述べた。
高村氏は「2項の削除は事実上不可能だ。(連立与党を組む)公明党が同意することは絶対になく、国民投票(で認められること)も困難だ」と話した。
自民党憲法改正推進本部が昨年末にまとめた改憲案の論点整理には、9条2項を維持する、廃止するの2案が盛り込まれていた。
高村氏は9条改正の目的について、自衛隊は合憲という結論を導き出すためだと強調した。「(安保関連法を通じた)集団的自衛権の行使の一部容認が合憲か違憲かという議論に決着をつけるためではない」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月25日