携帯用ゲームアプリの開発を手がける「ヒットポイント」がこのほどリリースした新アプリ「旅かえる」が、中国で爆発的ヒットとなり、App Storeのダウンロード数がすでに1000万回を超えた。地域別では、中国が95%を占める一方で、日本はわずか2%にとどまっている。「週刊朝日」は29日付の報道で、ヒットポイントの担当者は、同アプリの異例の大ヒットについて、「スタッフ一同とても喜ばしく感じております」と答えたと伝えた。カエルには微信(Wechat)の話題をさらうほどのどんな魅力があるのだろうか?そして「旅かえる」は、中日の携帯用ゲーム市場のどのような現状と特徴を反映しているのだろうか?環球時報が報じた。
「煩わしさも手間も時間もかからない」が若者の心を鷲掴み
「煩わしさも手間も時間もかからない」。ホワイトカラーの周さん(27)は、「旅かえる」にハマった理由をそう説明し、「このゲームはハードルがとても低い。毎日、何回かチェックするだけでよく、さらには、日本旅行に行ったような気分になれる」と説明した。ゲームの主役は旅好きなカエルで、プレイヤーは庭のクローバーを集め、そのクローバーを使ってショップで弁当や道具を買いそろえ、旅の支度をしてあげるだけで、勝手に旅に出ていく。旅に出たカエルは途中で、写真を送ってくれるだけでなく、家には各地の土産も持ち帰ってくれる。ただ、ユーザーがカエルの行動をコントロールすることはできず、いつ旅に出かけるのか、いつ帰って来るのか、どこへ行くのか、何をするのかなどは全てカエル次第。まさに、中国の流行語である「仏系(仏のように物事に拘泥しないこと)」のゲームと言える。それでも周さんは、「カエルと絆ができたようで、とても癒される」と話す。
IT専門研究・分析会社「易観」のクラスター分析副総経理で中国ゲーム市場アナリストの薛永鋒氏は29日の取材に対し、「『旅かえる』は、若い女性の心を捉え、さわやかな雰囲気が中国のユーザーの心を鷲掴みにした」と分析している。また、オンラインゲーム開発会社「盛大遊戯」の譚雁峰・副総裁は、「『旅かえる』は、放置型ゲームで、中国国内で流行しているハードコアゲームとはまったく逆であるため、それがかえって注目を集める要素となった」と分析している。中国国内のあるゲーム会社の最高プライバシー責任者(CPO)は、「『旅かえる』が一世を風靡している原因は、今の社会の若者の日常生活にあると言える。これは、若者の間で流行している文化がゲームに反映された必然的な結果だ」との見方を示している。
「旅かえる」の中国での爆発的ヒットは、ヒットポイントにとっては全くの予想外だったようで、電話もなかなかつながらないほどで、ようやく29日に電話取材を申し入れたところ、ヒットポイントのスタッフは、「現在、問い合わせが非常に多い状態であるため、返答は1週間ほど待ってほしい」と話した。