多くの日本語学校が日本の有名大学の入試対策を強化し、数学、地理、歴史などの授業を設けるだけでなく、予備校からも講師を招いている。『日本経済新聞』は、その背景には、「自国の有名校合格が困難」なため、東京大学や京都大学などの日本の有名校を選ぶ外国人留学生が急増していることがあると分析。日本語学校の言語教育に重点を置くというイメージは変わりつつある。
報道によると、京都にある関西語言学院で10月12日、中国人留学生約270人が入学式に出席した。その多くが7月に高校を卒業したばかりの人たちである。
遼寧省出身の18歳の劉さんは流暢な日本語で「東大で機械工学を学びたい」と話す。関西語言学院は中国の複数の優秀な高校と提携し、学生を選抜し、多くの留学生が日本に行く前に日本語をある程度話せる。
外国人留学生が日本の大学に入るには、「日本留学試験」を受けなければいけない。日本の大学の入学試験のようなものである。日本の国公立の大学と一部の私立大学は日本留学試験の成績を参考にし、面接や小論文などの二次試験を行う。
2017年3月、関西語言学院から12人が東大、25人が京大に合格した。私立大学では25人が慶應義塾大学、5人が早稲田大学に合格。これらの留学生はどうして日本の有名校に入りたいのか。劉さんは取材に対し、「北京大学と清華大学に入るのは難しすぎる」と話した。イギリスの教育雑誌『タイムズ・ハイアー・エデュケーション』のアジア(中東を含む)大学ランキングで、北京大学と清華大学は2位と3位につける。日本の大学では東大が7位、京大が14位。
また劉さんは、「北京大学などの有名校は現地の学生に配慮し、地方の受験生にとっては不利」と話した。欧米の大学に入りたい若者もいるが、日本の大学は費用が比較的安く、文化の差も小さいため、日本の大学を選ぶ傾向が強いという。 2016年、千駄ヶ谷日本語教育研究所から約300人の学生が早稲田大学や慶應義塾大学などの私立大学をはじめとする有名校に合格した。同社は提携している大手予備校から講師を招き、数学などの授業を行っている。
しかし、留学生は日本の大学の学部や教員などの情報をあまり知らず、入学後に「想像と違った」というケースもある。
日本語学校で学ぶ留学生は急増している。日本学生支援機関の統計によると、2016年5月時点で語学学校に在籍する留学生は6万8165人に達し、3年で2倍以上に増加した。国・地域別で見ると、ベトナム人留学生が最も多く、2万5228人。2015年は中国人留学生が最も多かったが、16年にベトナムに抜かれた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年2月7日