村上春樹の南京大虐殺を反省する新作、中国語訳の初版は70万部

村上春樹の南京大虐殺を反省する新作、中国語訳の初版は70万部。

タグ:村上春樹,南京大虐殺

発信時間:2018-02-11 13:30:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 日本人作家、村上春樹の新作『騎士団長殺し』は、日本の中国侵略戦争を反省し、南京大虐殺を認めたことで、中国の読者から注目されている。本作の独占翻訳権を得た上海譯文出版社が発表した情報によると、本書は5日の予約販売開始から大反響を呼んでおり、すでに重版の予定があるという。

 

 青春の心情、プチセレブの情緒を巧みに描くことで知られる村上春樹は、中国で多くのファンを持つ。最も有名な代表作には『ノルウェイの森』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』などがある。2017年に出版された新作『騎士団長殺し』は、各界から転向の作と称されている。

 

 本書は中年の危機を迎えた36歳の肖像画家が、第二次大戦中の日本人画家・雨田具彦が描いた遺作『騎士団長殺し』をめぐりストーリーを展開する。この絵に関する第2次大戦の史実が、徐々に水面上に浮かび上がる。村上春樹は作品の中で、ナチス・ドイツのオーストリア進攻、地下抵抗組織の学生の虐殺を批判している。また「盧溝橋事件」「南京大虐殺」といった、日本の右翼から批判を浴びている、実際に起きた歴史的な事件を挙げている。

 

 村上春樹は作中、雨田具彦の弟の若き音楽家が参戦後、南京で極めて残虐な手段により中国人捕虜を殺すよう求められ、退役後に精神的な障害を負い自殺することを詳細に描写している。作家は戦争とヒューマニズムの悪を反省し、戦争が人々の心にもたらす傷が、純粋だった若者の生活へのすべての希望を破壊することを表現している。

 

 上海譯文出版社文学編集室長の黄昱寧氏は、新華社記者に対して「本作の中国語訳は広く注目されており、初版は70万部に達する。5日より国内でオンライン・オフラインで同時に予約販売が始まり、3月10日頃に中国の読者に届けられる予定だ」と話した。


「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年2月11日

 


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