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米ホワイトハウスは9日、トランプ大統領が現在太平洋軍司令官を務めるハリー・ハリスを米国駐豪大使に指名したと発表した。
ハリスは、米軍のアジア太平洋政策におけるタカ派的な人物とみなされており、太平洋軍司令官を担っていた際には、さまざまな言動で太平洋の「太平」(平和)を乱してきた。米上院で指名が正式に承認されれば、駐豪大使となったハリスが、アジア太平洋地域の平和と安定にどのような負の貢献をするかが、人々の懸念を呼んでいる。
「好戦的人物」との評判
ハリスは1956年、米国の在日海軍基地がある港湾都市の横須賀で生まれた。父親は在日米軍の下士官、母親は日本人だった。
ハリスは横須賀で少年時代を過ごし、その後、米国で教育を受けた。1978年には米海軍兵学校を卒業後、米海軍に入隊。低級士官からキャリアを積み、任務遂行のために何度も海外に派遣された。
2013年10月には米太平洋艦隊の司令官に就任。2015年5月にはさらに米太平洋軍司令に昇進し、太平洋における米軍のすべての軍事力を管理するようになった。
米太平洋軍司令官への就任後、ハリスは、強硬な手段を取ることを繰り返し主張し、地域の緊張を高めてきた。オバマ前大統領には何度も圧力をかけ、米国の軍艦による南中国海でのいわゆる「航行の自由」作戦にゴーサインを出し、太平洋艦隊により多くの権力を与えることを求めた。ハリスに扇動された米軍は、南中国海で一連の挑戦的な行動を取り、アジア太平洋地域の平和と安定を大きく損なった。
トランプ大統領選出後、ハリスは動きをさらに活発化し、米軍が南中国海でいわゆる「航行の自由」作戦を引き続き展開することを宣言しただけでなく、「我々は今夜にでも開戦する準備ができている」などと「好戦的人物」のレッテルを貼られる原因となる発言を繰り返した。
ハリスは、南中国海の諸島に対する中国の主権を否定しただけでなく、南中国海での中国の正当で合理的な行動に何度も中傷を加え、中国の行動は米国のいわゆる「航行の自由」作戦に危害を加えているとし、米国による海上霸権の展開の言い訳とした。
実際には、米国のいわゆる「航行の自由」作戦はすでに長期にわたって用意されてきたもので、計画の提出から実施にいたるまでのすべてのプロセスは、その本質が、米国の海上霸権を維持し、一国の私的利益によって他国の主権と国際的な公共利益に挑戦することにあることを示している。ジョージ・ブッシュ政権はある文書の中で、「航行の自由」作戦の計画の目的は「米軍事力の世界における機動的な展開を保持する」ことにあると明確に述べている。