南京市紫金山にある抗日戦争の遺跡で2人の男性が中国侵略旧日本軍の軍服を着て写真を撮っていた問題で、南京大虐殺の生存者と犠牲者の遺属の一部が強い不満を表明している。「南京大虐殺の歴史の真相を守る弁護士大連盟」が25日に明らかにしたところによると、弁護士らはすでに、公益訴訟の検討を始めており、関連する立法の推進も呼びかけている。
旧日本軍の軍帽をかぶり、日本の軍刀を手にし、「武運長久」と書かれた日本の旗をはためかせ、楽しげな様子の2人。いかにも本物そっくりだが、映画の1シーンではなく、実際の抗日戦争の遺跡の前での記念写真だ。これには世論もざわめき、南京大虐殺の生存者と犠牲者の遺属も強い不満を表明した。「彼らには教育が必要だ。この2人だけでなく、こうした思想を持つ若者を教育しなければならない」と南京大虐殺を生き残った87歳の陳徳寿さんは語る。
南京警察は事件後ただちに調査と処理を展開。唐某と宗某の行為は「中華人民共和国治安管理処罰法」第26条の規定に違反し、「尋釁滋事」(騒動誘発)の罪に当たるとして、2人は、南京市公安局玄武分局によってそれぞれ15日の行政拘留を受けた。
だがこのような罪名と行政拘留だけで、人々の注目を集めるには何でもするような人を思いとどまらせることができるのだろうか。南京市法律援助基金会理事長で江蘇法徳永衡律師(弁護士)事務所主任の談臻氏によると、南京市律師協会と法律援助基金会が共同で発足した「南京大虐殺の歴史の真相を守る弁護士大連盟」の弁護士らも最近、この件について法律レベルから熱のこもった議論を行っている。だが残念なことに、中国にはまだこれに関する専門の法律がなく、訴訟の主体をどうするか、どのような申し立ての方法を用いるか、いかに権利を主張するかなどでは多くの障害に直面することとなる。