裸の女性の死体が大量に積まれていた――第二次大戦中の1944年に、旧日本軍が朝鮮半島の「慰安婦」を虐殺したことを証明する映像が27日に初公開された。韓国メディアは、これまでも旧日本軍が慰安婦を虐殺したという証言とニュースがあったが、虐殺現場の映像は初公開だと指摘した。
この19秒間の白黒映像は、ソウル市とソウル大学の研究チームが韓国で同日開かれた「三・一運動99周年記念、韓中日慰安婦国際カンファレンス」で公開された。韓国メディアは、これは1944年9月15日に中国の雲南省で、中米連合軍164通信隊写真中隊のボールドウィン兵士が撮影したものと推測されている。韓国SBSテレビによると、この映像は中米連合軍が旧日本軍から騰衝を奪還した翌日に撮影された。
KBSワールドラジオの報道によると、研究チームは米国立文書記録管理庁(NARA)で70年以上保管されていた資料の中から、この映像を発見した。ソウル市によると、同地域の旧日本軍には当時、朝鮮半島の慰安婦が70−80人含まれていた。うち中米連合軍の捕虜となった23人を除き、大半の慰安婦が日本の敗戦前に虐殺された。旧日本軍は敗戦濃厚となると、強制的な集団自殺「玉砕作戦」を行い、かつ朝鮮半島の慰安婦にもこれにならうよう求めた。映像の他に、中米連合軍が記録した報告書など14の文書と2枚の写真も公開された。中米連合軍の報告書によると、旧日本軍は朝鮮人女性30人を銃殺した。
ハンギョレ新聞は「中米連合軍の報告書などに基づき、ソウル市とソウル大人権センターはこの映像の内容を、旧日本軍が朝鮮人慰安婦被害者を集団銃殺したものと判断した。今回の映像公開は、慰安婦の強制性を否定してきた日本政府に反論する有力な証拠となる」と報じた。
聖公会大学校東アジア研究所の姜聖賢教授は「旧日本軍が朝鮮の慰安婦を虐殺したことは事実だ。日本帝国主義にとって、慰安婦は特殊な軍需用品だった。慰安婦虐殺は(彼らにとって)、軍需用品を廃棄するようなものだった。安倍政権は発足以来、慰安婦被害者の証言を回避・否定し続けている。日本は今回公開された資料により、(日本による朝鮮半島占領時代の)戦時動員体制下で生じた、人権を踏みにじるおぞましい事件を直視するべきだ。これが日本による最近の歴史修正主義の傾向を覆す事件になることに期待している」と指摘した。
韓国のアジア経済新聞は「ソウル市は第二次大戦中の日本軍による慰安婦虐殺に関連する証言・写真・映像などの内容を編集し、ネット上で公開する。旧日本軍による慰安婦被害者の関連本も、今年3月に出版される」と伝えた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年2月28日