日本家電大手のシャープは債務がかさみ、鴻海集団に3890億円で株式66%を買収された。また、パナソニックも台所家電、ガスコンロ、HIコンロ、給湯器などの分野を中国市場から撤退させ、プラズマテレビ事業を手放した。
中国家電大手はどのような危機に直面するか
日本家電業の衰退の原因は多くあるが、中韓が台頭し、日本家電企業が家電事業で得られる利益が以前より減少したことが大きく影響した。
2004年にIBMは聯想(レノボ)に衰退産業のPC事業を売却した。当時、多くの人が聯想の12億5000万ドルでの大手買収はIBMに勝ったようなものだと思ったが、IBMが戦略のモデル転換を実施していたことが気にかかった。ソフトウェア企業の利益率はハードウェアやIT企業を上回ることをよく知っていたためである。2011年にIBMのソフトウェア事業は同社の営業利益の23%を占める250億ドルを計上し、2013年の営業利益は291億ドルに達した。また、2015年にはソフトウェア事業の収益が同社の半分前後を占めると明かした。
同様に、日本の家電企業もこの道理を知っていた。ソニーを例にあげると、2010年に同社は米イリノイ州の生命科学会社iCyt Missionを買収し、多くの音響技術を期待が集まる医学と生物学に応用することを目指し、フローサイトメトリー事業に手をつけた。日立は2012年に56年の歴史を有するテレビ製造事業、液晶パネル、ハードディスク事業から手を引き、健康、スマート物流などの新事業の発展に力を入れ、瞬く間に回復した。同年の時価総額はシャープ、ソニー、パナソニックの3社の合計に相当し、日本家電企業のモデル転換の手本となった。