日本の安倍晋三首相は9日、来月に訪米し朝鮮半島の核問題などについて議論すると表明した。
日本側は、安倍首相が訪米の意向を持つことを伝えていなかった。外務省によると、韓国の鄭義溶・大統領特使がドナルド・トランプ大統領に朝鮮訪問の結果を伝えると、トランプ大統領が日本時間9日午前に安倍首相に電話をし、安倍首相の訪米が決まったという。
【困惑】
外務省筋は9日、同日の朝鮮半島をめぐる一連の流れについて「早すぎる展開だ」と述べた。
米国東部時間8日夜(日本時間9日午前)、訪米中の鄭氏は「金正恩氏は5日、韓国側の代表団と会談した際に、トランプ大統領との会談に意欲を示した。トランプ大統領は5月末までに米朝首脳会談を開くことに同意した」と話した。
これらの情報は、日本政府を「困惑」させている。
河野太郎外相は同日午前の衆院予算委員会で「日米韓は足並みをそろえ、(朝鮮側の核兵器破棄の)具体的な行動を待ちつつ、圧力をかける方針を維持するべきだ」と話した。
【共通認識】
共同通信によると、トランプ大統領が朝鮮最高指導者である金正恩氏の提案に応じ、初の米朝首脳会談を実現させる意欲を示したが、安倍首相の訪米は両国の朝鮮の核問題に対する共通認識を確認し、日米同盟を強化することを目的としている。
トランプ大統領との電話後、安倍首相は官邸で記者団に対して「朝鮮は非核化の実現を対話の前提としており、私はこの変化を評価している。これは日米が緊密に連携し、日米韓と国際社会が強い圧力をかけ続けた結果だ。私とトランプ大統領はこれについて、共通認識を形成している」と述べた。
安倍首相は電話でトランプ大統領と、「朝鮮が確かに行動に出て、核兵器とミサイルを徹底的に破棄するまで、朝鮮に最大限に圧力をかけ続けるという日米の断固たる立場に揺るぎはない……(中略)……過去も未来も、日米は100%同じ立場を貫く」ことを確認したという。
安倍首相は「トランプ大統領との電話で4月上旬に訪米することで合意した。双方は朝鮮の核問題、拉致問題などの協力方法を議論する」と話した。
小野寺五典防衛相は同日、トランプ大統領と金正恩氏が会談を実現し、朝鮮の非核化に進展があれば、日本の防衛装備品政策にも変化が生じる可能性があると述べた。安倍政権は近年「朝鮮の脅威への対応」を理由に、高額の防衛装備品を大量調達している。
外務省は9日、徐薫・韓国国家情報院長が12、13日に訪日し、河野外相と会談すると発表した。徐氏は5日、鄭氏と朝鮮を訪問し、金正恩氏との会談の場に出席していた。8日には鄭氏と訪米し、トランプ政権に朝鮮訪問の成果について説明した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年3月12日