第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミストは、米国の利上げによって円安ドル高となる時代はもう終わったと指摘する。利上げの速度に対し、米国経済の回復に対する期待は高まっておらず、米国の株式指数は年初から下落している。日経平均株価の上昇も期待できない。そのため比較的安全とされる円を買ってリスクを回避しようとする動きが生まれた。
トランプ政権による大規模な減税政策が財政赤字の拡大を招き、ドル安を招いているという指摘もある。また国内の製造業を保護するため、米国政府には、ドル安によって貿易赤字を縮小させようとの意図もある。全国銀行協会の藤原弘治会長は2日の記者会上で3月短観について「円高が進行したこと、保護貿易主義の懸念が出てきたことが影を落とした」と述べた。
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「今後、米国の保護主義が強まれば、実質的に円安誘導している日本の金融政策を問題視し、円高が一段と進む可能性もある」と語る。円高の進行は、株価の下落を引き起こす可能性もあり、警戒感が広がっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年4月8日