国連食糧農業機関の担当者によると、アジア太平洋地域では児童の肥満症患者が急速に増加している。より健康な生活方式を早期に提唱しなければ、肥満症は「時限爆弾」となり、社会の医療体系に重い負担をもたらすことになる。
食糧農業機関アジア太平洋地域事務所の提供したデータによると、2000年から2016年までの間に、アジア太平洋地域の5歳以下の肥満児童数は38%増加し、情勢好転の兆しはない。ロイター社の9日の報道によると、同事務所の栄養・食料安全担当官のスリダル・ダルマプリ氏は、「アジア太平洋地域では(児童)肥満症が急速に増えており、ほかの多くの国を上回っている」と指摘した。
「肥満症の割合が最も高いのは米国だが、アジア太平洋地域では、太り過ぎの児童の数が急速に増えている」とダルマプリ氏は語る。アジア太平洋地域の児童の肥満症患者数の急速な増加は懸念を呼んでいる。太り過ぎの児童は、大人になって2型糖尿病や高血圧、肝疾患にかかるリスクが高いためだ。食糧農業機関が9日から13日までフィジーで開催するアジア太平洋地域会議では「肥満症時限爆弾」が議題の一つとなる。
東南アジア諸国では、マレーシアとインドネシア、シンガポール、タイの肥満問題が最も深刻となっている。太平洋地域では肥満症が最も深刻なのはサモアとトンガだ。アジア開発銀行研究所が最近発表した報告書の推計によると、住民の太り過ぎや肥満症がアジア太平洋地域に与える経済損失は年間1660億ドルにのぼる。
専門家によると、アジア太平洋地域の住民の肥満症がますます深刻化しているのは、現地の経済成長と関係している。アジア太平洋地域では過去20年、経済が絶え間ない成長を続け、廉価な食物がすぐに手に入るようになった。肉体労働の機会も大幅に減少しているが、それに応じて飲食のバランスを取ることはできておらず、太り過ぎにつながっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年4月14日