関係好転の背景
共同通信は16日の記事で、次のように伝えた。
王部長の訪日を踏まえ、日本政府は5月の中日韓首脳会談に向け環境を整え、対中国政策の軸足を「けん制」から「融和」に移す構えだ。官邸筋は「いずれ経済規模で米国を抜く中国を相手に、すべての分野で対抗するのは難しい」と話した。
中日関係は日本が中国側に妥協する形で推進される。政府は2月に首相官邸ホームページで、安倍首相の台湾東部地震への「お見舞いメッセージ」を掲載したが、後に宛名「蔡英文大統領」を削除した。
釣魚島の対応でも、日本は自制的になっている。安倍首相は今年1月の施政方針演説で、釣魚島に言及しなかった。
融和姿勢を示し続ける安倍首相は、「焦り」を示したようだ。これは朝鮮問題の大きな動きを受け、日本が中国と迅速に連携する必要があるからだ。
中国は日本の変化を感じている。外交筋によると、今回の王部長の訪日は、日本側からの招待に応じたものだった。王部長は河野外相と会談した際に、招待に応じて訪日したのは、河野外相と前外相の訪中に対する返礼であり、日本の積極的な対中政策への反応でもあると表明した。
領土問題で食い違いを残す
17日付毎日新聞は「日中関係、安保で緊張を継続」と題した記事を掲載した。要旨は下記の通り。
日本政府は中日平和友好条約締結40周年に当たる今年中に中日関係を飛躍的に改善することを目指している。ただ、釣魚島の領有権を巡る緊張が緩和される見通しはなく、関係が改善されても、安全保障上の懸念が直ちに消えるわけではない。
李総理訪日の際には、自衛隊と中国軍の偶発的な衝突を避ける「海空連絡メカニズム」の運用開始で合意する方向。安倍首相と王部長も東中国海を「平和・協力・友好の海」とする原則論で一致した。
ただ、中日関係に改善の機運が出てきた後も、中国公船による釣魚島周辺への進入は止まっていない。中国側が領有権に関する主張を取り下げることは想定しにくい。
また、中国軍は太平洋への進出の傾向を強めている。自衛隊は日本海側だけではなく、太平洋側でも中国艦艇への対応を強いられている。政府関係者は「中国公船の活動を止めることはできないが、関係が改善すれば少なくとも現状レベルに抑えておくことにはなるだろう」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年4月18日