実際、日米貿易摩擦の頃の日本経済は典型的な輸出主導型経済で、国内の消費需要が経済発展の「トロイカ」に占める割合は小さかった。そして現在では内需が日本経済の最重要部分になっている。宮内氏は、「内需を安定させ、サービス産業の労働生産性を高めるにはどうするかが、日本政府の第一の関心事になっている」と指摘した。
ジョン・ホプキンズ大学高等問題研究大学院(SAIS)ライシャワー東アジア研究所のケント・カルダー所長は、「日本の貿易摩擦当時の財政政策はそれほど積極的ではなく、これも問題の一つだった。その背後にあるのは、自国産業が高度成長しながら、日本国内の当時の体制モデル転換プロセスが成功したとはいえず、特にグローバル化プロセスは非常にスローテンポで、日本の一連のメカニズムの破壊にもつながった。中国はここから教訓をくみ取ることができる」と述べた。
北京大学国家発展研究院の林毅夫名誉院長(世界銀行元チーフエコノミスト)は、日米貿易摩擦のもう一人の主役に注目する。
林氏は、「米国は60~90年代に貿易赤字の責任は日本と『アジア四小竜』の輸出主導型経済にあると断定し、日本に生産プロセスを米国に移転するよう迫ったが、今だに米国が直面する貿易赤字は減少していないどころか、かえって増加を続けており、ここから問題のカギはやはり米国自身の経済構造にあるということがわかる」との見方を示した。
林氏は、「現在の米国の貿易赤字はかつてと同じく、貯蓄率の異様な低さに原因がある。対症療法的に薬を出して、病気の原因を取り除くしかない。残念に思うのは、米国が自分自身の問題から手をつけようとはせず、いつまでも貿易摩擦に固執していることだ。中国はかつてと同じような状況に直面しており、今、自分たちがやるべきことをやる十分な理由がある」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年4月20日