日本の小野寺五典防衛大臣は15日、政府が2023年度の導入を目指す地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」について、配備先が秋田県と山口県になると考えられると表明した。防衛省が配備先の候補地を挙げたのは初めて。
小野寺氏は同日の記者会見で「防衛省は秋田、山口両県に近く配備に関する説明をしたいと伝達した」と述べた。候補地は新屋(秋田市)、むつみ(山口県萩市)両演習場。
両県の住民はこれを疑問視し、反対している。秋田県の市民団体「県平和委員会」のメンバーは佐竹敬久知事に連名の書簡を送り、配備に抗議した。同委員会は、配備により秋田県が攻撃の標的になり、住民の安全が脅かされる恐れがあるとしている。
イージス・アショアは日米共同開発のSM-3ブロック2A増強型迎撃ミサイルを使用し、射程距離は半径数百キロに及ぶ。日本メディアによると、これらの候補地に配備された場合、日本全域をほぼ網羅できるという。
日本政府は昨年12月19日、米国からイージス・アショアを2基導入し、2023年頃に使用開始することを閣議決定した。
日本政府は朝鮮のミサイルの脅威への対応と称しているが、イージス・アショアには攻撃性があり、地域の安定に悪影響を及ぼすと分析する声もある。
イージス・アショアは米軍需大手ロッキード・マーティンが開発する地上配備型迎撃システムで、維持が容易で全天候で稼働できることから、イージス艦と比べメリットがある。
日本の軍事コメンテーターの前田哲男氏は「イージス艦は対地・対空対艦ミサイルを搭載できる。イージス・アショアが長距離巡航ミサイルを搭載できれば、敵国の基地を攻撃する有力な兵器になる。いわゆるミサイル防衛とは、攻撃能力を実現するための口実にすぎない」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年5月17日