日本は米国と貿易戦争を起こそうというのだろうか。日本の当局者は今月17日、米国の鉄鋼・アルミ製品を対象とする追加関税導入に対抗措置を講じると発表した。日本は最終決定を下していないが、これは米国に対する態度の大きな変化だ。米国は今年3月に鉄鋼・アルミ製品への追加関税導入を発表し、その後多くの国を免除・一時免除の対象としたが、その中に日本は含まれなかった。
日本側はこの数カ月に渡り免除を働きかけてきたが、成果は得られなかった。トランプ氏の大統領就任後、日本の安倍晋三首相は大統領との関係構築に取り組み、現在まで6回直接会談している。トランプ氏も記者会見で、親しみを込め「シンゾー」と呼んだ。この「蜜月関係」はなぜ、豪州や韓国のような免除を得られなかったのだろうか。日本メディアは安倍氏とトランプ氏の親密な関係をどのように見ているのだろうか。
根源は30年以上前の歴史に?
米スタンフォード大学の学者であるダン・シュナイダー氏は、日本が免除の対象となっていないことについて「日本人は、トランプ氏の日本に対する観点が、1980年代に留まっていると考えている」と指摘した。
1988年6月上旬の午後、黒いヘリが米ペンシルバニア州リーハイ大学の野球場にゆっくりと着陸した。遠くからでも、機体に描かれていた太い白の字「TRUMP」を目にすることができた。そう、ヘリから降りてきたのはトランプ・グループのトランプ会長だったのだ。
トランプ氏は同校から名誉法学博士学位を授与され、リーハイ大学第120期卒業式で演説を行った。トランプ氏のこの「卒業スピーチ」は内容豊富で、HIVから米連邦政府の内部問題に跨った。しかし最も意気軒昂たる部分は、「外国の競争がもたらす脅威」だった。
トランプ氏は7000人の聴衆を前に「多くの国が米国を鞭で打っている……(中略)……がっぽり稼いで、経済面から米国の尊厳を奪っている。私は日本人を尊敬するが、反撃しなければならない」と語り、次の経験を紹介した。「ある日本のビジネスマンが意気揚々とNYのトランプタワーに入り、テーブルを叩き不動産投資したいと話した」