性別のステレオタイプ化は今も横行し、差別的な見方は女性の日常生活に影響を与え続けている。刑法での強姦の定義は狭く、国際標準と合っていない。例えば配偶者の強姦は犯罪行為と明確に規定されていない。
同様に20世紀初めから第2次大戦終了まで朝鮮半島や中国などの地域から強制的に日本に連れて来られた人びとの子孫は、差別を受け続けている。「在日」と呼ばれる朝鮮系住民への攻撃は幅広く存在する。朝鮮系の学校は、高校の学費減免事業から締め出されている。憎しみをあおる言動は日常的な脅威となっている。
暴行の真の規模、旧日本軍によって「性奴隷」とされた女性と少女の数はもはや確かめようがなくなっている。処刑された女性や少女の数もわからない。旧日本軍が女性や少女を閉じ込めていた「慰安所」の所在地や数の記録は破壊されてしまった。「慰安婦」問題にかかわる文書や映像を明らかにしようという最近の努力は極めて重要なものだ。これらは犯罪行為を隠そうとする行為に対抗し、政府の犯した不正を証明するものとなる。罪を認めるだけでなく、さらなる改革と、二度とこうした罪を犯さないとの保証も必要だ。
だがこうした取り組みも、公正を求める人びとを拒絶する理由にはならないだろう。「慰安婦」の生き残りはますます少なくなっている。彼女らの多くはもう90歳を超えている。その証言を得るのはますます難しくなっており、「慰安婦」の賠償問題もますます差し迫ったものとなっている。
犯罪の事実を認め、責任者の責任を問うことは必要だ。だが被害者への全面的で有效な賠償、犯罪の根源的な理由となった社会での女性と少女への差別をなくすための全面的な改革も欠かすことはできない。
旧日本軍の「性奴隷」制度の被害者のために正義を取り戻すことは、道徳的な義務であるだけでなく、現在と未来に向け、われわれの社会のあり方を示すためにも重要だ。過去に発生した人権侵害行為を解決することは、現在の女性と少数者の処遇を改善し、このような驚くべき犯罪行為の再発を防ぐことにもつながる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年6月25日