日本の近畿大学はこのほど、汚染水から放射性物質のトリチウムを除去する新技術を開発したと発表した。2011年に事故が起きた福島第一原発内には、トリチウムを含む大量の未処理の汚染水が残されているが、この技術が処理に貢献する可能性がある。
トリチウムは水素の放射性同位元素で、通常の水とトリチウム水を分けることは難しい。近畿大学の発表によると、同校の井原辰彦教授らはアルミ粉末を材料に、直径5ナノメートル以下の微細孔が無数にあるフィルターを作った。トリチウム水をこのフィルターに通すことで、トリチウムが微細孔の中に留まり、効率的な処理を実現する。
研究者によると、この装置は何度も使用可能で、かつ低コストでもあるため、福島第一原発の汚水処理に貢献できる可能性がある。
福島第一原発内には汚染水を保存する1000個以上の巨大貯水タンクがある。既存の汚染水処理システムでは、セシウムなど60種類以上の放射性物質を処理できるが、トリチウムの処理は困難だ。これは福島第一原発の汚染水処理の大きな難題となっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年7月2日