米国の保護主義で各国が団結
注意すべきは、日本のRCEP交渉推進に、米国という無視できない外部の要素があることだ。東京で開かれた会合において、安倍晋三首相は保護主義の傾向を強める米国を見据え、地域貿易協定を早期妥結することで、自由でルールを基礎とする貿易を保証するべきだと呼びかけた。
安倍氏は保護貿易主義に矛先を向けたが、これは日本が自由貿易体制を貫く傾向を持っているほか、眼前に迫る課題と直接関連している。毎日新聞によると、日本は7月に米国との新たな通商協議を控えており、米国からより強硬な政策を突きつけられる恐れがある。そのため日本はRCEPの早期署名、米国不在のTPP11(CPTPP)の推進を主導することで、米国をけん制しようとしている。
劉氏は「トランプ政権は米国がグローバル化で損をしていると考え、貿易赤字を縮小しようとしており、対等な開放を強調している。米国が鉄鋼・アルミ製品の追加関税で日本を対象外としていないのは、日本の対米貿易黒字が大規模だからだ。米日は同盟関係であるが、これは主に安全面のことだ。経済・貿易の利益に関わるならば、トランプ氏の政策は同盟国のメンツに配慮しない。そのため経済・貿易問題で、米国は同盟国に対しても平等だ」と指摘した。
日本のRCEP積極推進にどのような目的があるとしても、同協定の署名により東アジアの経済・貿易一体化が新たな段階に進むことになる。RCEP加盟国は世界の人口の約50%、世界経済の32%、世界貿易の28.5%を占める。独誌は、RCEPの署名により世界最大の貿易圏ができると指摘した。
劉氏は「RCEPが署名されれば、東アジアの経済・貿易一体化に非常に大きな影響が及ぶ。関税削減により資源の流動がよりスムーズになり、産業シフトの空間も広がる。また貿易の一国主義への対応について、これは当時のEUが関税同盟を作ったように、各国が関税制度を統一化し税率を同時に引き下げることができれば、アジア内部の貿易規模が大幅に拡大し、対外貿易への依存度も低下する。これにより経済リスクに対応する能力が生まれる」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年7月4日