中国、日本、インド、ASEAN諸国など16カ国による東アジア地域包括的経済連携(RCEP)閣僚会合が1日、東京で開かれた。AP通信によると、日本は妥結に向けリーダーシップを発揮し、同協定をトランプ大統領が離脱した環太平洋経済連携協定(TPP)の代替案にしようとしている。
日本がRCEPの交渉推進に意欲的なのは、米国の保護主義への反撃であり、RCEPは米国との新たな通商協議における駒になると指摘されている。しかし地域一体化枠組みの構築は、東アジアが未来の不確実性に満ちた外部経済リスクに対応する一助となる。
日本がRCEP交渉推進に本腰
毎日新聞によると、RCEPの交渉は2013年5月に始まり現在まで5年続いている。18の交渉分野のうち、各国は中小企業、経済技術協力の2分野のみで合意している。交渉が難航しているのは、RCEPが東アジア、東南アジア、南アジアの広範な地域をカバーし、各国の発展水準が異なり、需要に大きな差があるからだ。
海外メディアは、日本がRCEP交渉の主導権を握り、同協定の年内妥結を促進しようとしていると強調した。中国国際経済交流センター経済研究部の劉向東副部長は「日本が今回一定の積極性を示しているのは、自国と周辺地域の経済・貿易枠組み交渉の客観的な状況と関連している」と判断した。
劉氏は参考消息網のインタビューで「日本はRCEP交渉を主導などしていない。今回の閣僚会合が東京で開かれたため、日本が推進し主導しているように見えるだけだ。日本は地域一体化の発展で一定の積極性を示しているが、これは主に5月に開かれた中日韓首脳会議が原因だ。3カ国は当時、地域一体化の推進に再言及した。これは中日韓FTAとRCEPの交渉推進のことだ。先ほど日本が参加するCPTPP(米国離脱後のTPP)も署名に近づいており、そのため日本の交渉代表は新たな交渉を展開する余裕ができた」と分析した。
劉氏によると、日本がRCEP交渉を優先的に推進することには2つの原因がある。まず中韓FTAが2015年に発効したが、日韓FTA交渉が棚上げされている。そのため日本にとって、中日韓FTAよりもRCEPの推進の方が有意義だ。
その一方で、RCEPとCPTPPは多国間協議であり、豪州、NZ、ASEANを含むなど共通点も存在する。日本は多くの経験を利用できる。
劉氏は「そのため日本によるRCEP推進は無視できない力だ。より高い積極性を示せば、年内署名の可能性が大幅に高まる」と話した。
米国の保護主義で各国が団結