日本メディアによると、世界の給与水準が上昇する中、日本は遅れをとっている。大企業の昇給率は4年連続で2%を上回っているが、主要7カ国(G7)の中で給与水準が2000年時を下回るのは日本だけである。多くの日本人は給与上昇を実感できておらず、この状態が続けば日本のデフレ脱却はペースダウンすると見られ、年功序列や終身雇用などの慣例にとらわれない給与体制の構築が待たれる。
『日本経済新聞』ウェブ版はこのほど、接客ロボットは貨物運搬や清掃なども担当し、旅行会社のHISが運営する「変なホテル」は同規模のホテルの4分の1の7人だけで運営していると報道。同社の会長兼社長の澤田秀雄氏は、ホテルは生産性を高めることで類似施設の2倍以上の利益率を実現すると話す。
日本銀行の統計によると、この5年で日本の労働生産性は9%上昇した。しかし、生産性と給与水準の上昇の関係に異常が生じている。
報道によると、世界的に見て日本の給与水準は低い。経済協力開発機構(OECD)の統計を見ると、物価の影響を除いた実質給与(各国通貨で計算)は日本、米国、ドイツなど主要7カ国の中で2000年時より低いのは日本だけである。過去20年間、デフレを維持する中で、多くの日本企業は「人件費が上がれば国際競争力は低下する」(日本大手原材料企業の責任者)と考えており、昇給を渋っている。
また、製造業が新たな段階に発展し、低価格で高品質の商品を製造しコスト競争力を競うのではなく、新しいビジネスモデルを競うようになり、給与はコストではなくイノベーションに対する投資とみなされるようになっている。
日本企業は思考を変える必要がある。労働スタイルの改革に伴い、過度な残業を減らす企業は増えたが、残業時間が減れば残業代も減少する。短時間で効率的に作業を終えても、時間給制度では労働の成果を労働者に還元できない。
技術力のある人材に対し。労働の成果に見合った給与体制を構築する必要がある。優秀な人材が高い見返りを得られなければ、人材争奪の競争で日本企業は海外企業に遅れをとることになる。富士通総研の早川英男執行理事は、「日本の労使双方が重視するのは雇用維持であり、技術ではない。このような体制を変える必要がある」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年7月14日