「守り」から「攻め」への転換
日本の防衛政策は近年、「守り」から「攻め」に明らかに転じつつある。日本自民党は安倍首相に、「準空母」と呼ばれる「いずも」などを正規の空母に格上げするとの内容を「防衛計画大綱」に盛り込むことを提案。また改造後の空母の艦載機には、短距離での発着が可能なF-35Bステルス戦闘機を導入することも提案した。自民党はさらに、「積極防衛」戦略を取り、敵の弾道ミサイル発射基地を攻撃・破壊できる「敵基地攻撃能力」を「防衛計画大綱」に盛り込むことも提案している。
「毎日新聞」社説は、日本が米国から「イージス・アショア」などの大量の武器装備を導入し、さらに攻撃力を持つ長距離巡航ミサイルの導入を検討していることは、日本が堅持してきた「専守防衛」の原則を超えるものだと論じた。この社論はさらに、安倍政権はすでに、日本の歴代内閣が堅持してきた防衛政策を集団的自衛権の解禁で変更しており、防衛予算がさらに大幅な増加を続ければ、日本の平和国家としての現状は変質せざるを得ないとした。
アナリストは、今年上半期の韓朝や米朝の関係緩和と良好な相互作用に伴い、朝鮮半島情勢には平和の曙光が差し始めており、「朝鮮半島危機」という安倍首相の軍拡の口実は崩れていると指摘する。安倍政権が依然として、高価な軍備の導入と防衛予算増加の既定路線を堅持していることは、政府の思惑に対する日本各界の疑いを呼んでいる。
「朝日新聞」は、関係各国が外交努力での朝鮮半島の平和と安定の実現を進めている中、朝鮮の核兵器とミサイルの脅威を過度に強調し、軍拡の目的を達成しようというやり方は、時代の潮流と逆行していると論じた。日本財政が引き続き困難に直面しているにもかかわらず、防衛予算が少しもその影響を受けず、「専守防衛」原則から離れた軍拡路線を形成していることは、受け入れることはできない。
方暁志・副センター長は、日本政府が近年、防衛予算の増加を続けていることは、防衛政策の調整と「軍事正常化」の追求の表れだと指摘する。安倍政権が続く限り、防衛費の増加を通じて軍事拡張を推進しようという日本政府の野心を完全に取り除くことはできない。日本は今後も引き続き、「防御」の名の下に軍備を拡充し、「守り」から「攻め」への転換を少しずつ実現しようとするだろう。こうした傾向は、日本と周辺国との矛盾を拡大し、東北アジアの安全環境さらには世界の平和と安定にもマイナス影響を生むことになる。国際社会には高度の警戒が必要となる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年7月20日