川口順子氏略歴:元日本自民党議員。1941年日本東京生まれ。東京大学卒業、米エール大学経済学修士号取得。1965年、通商産業省(現経済産業省)入省。森喜朗内閣に国務大臣環境庁長官(現環境大臣)として入閣し、小泉純一郎内閣では環境大臣と外務大臣を歴任。
中日平和友好条約は今年8月12日、締結40周年を迎えた。日本の元外相、川口順子氏はこのほど、新京報の独占インタビューに応じ、中日関係と地域の平和発展の問題について自らの見方を示した。
「私はかつて、中日両国が力を合わせれば、多くの事ができると考えていた。過去数十年、中日関係は浮き沈みを経てきた。現在はいくつかの変化が生じ、中日間には新たなチャンスが現れている」。川口氏は最近、清華大学が主催し、中国人民外交学会が共催した「第7回世界平和フォーラム」でそう語った。川口氏はフォーラムで、両国がより安定した二国間関係を発展させ、手を携えてアジアと世界に貢献することに期待を示した。
中日交流がますます緊密化
―初訪中はいつか。中国にはどのような変化があったか。
初めて中国に来たのは1980年代半ば。みんな自転車に乗り、昔ながらの人民服姿で、今とはまったく違った。今では中国の若い女性を見ると、日本にいるのか中国にいるのかわからなくなるほどだ。来るたびに中国が変化しているのを感じる。あちこちで工事が行われ、緑地も増えた。微信(WeChat)での支払いは、日本の店鋪やタクシーでも使える。日本を訪れる中国人観光客がますます増える中、日本の各都市では、中国語のできるガイドや販売員、フロント係も増えている。中日間の交流はますます緊密化しており、今後もさらに頻繁になるだろう。
―外務大臣を担当した頃、中日間の関係は「政冷経熱」と言われていた。その後、氷を割る旅、氷を溶かす旅、暖かい春の旅、春を迎える旅(いずれも首脳相互訪問)を経て、中日友好平和条約締結40周年の今日を迎えた。中日関係をどう見るか。今後の発展の行方は。
以前から中国に注目してきたが、その変化は本当に大きい。中日関係はここ数年、浮き沈みやさまざまな状況を経てきた。中国と日本がより堅固で強大な両国関係を築こうとするなら、より安定した二国間関係を発展させることが極めて重要だ。両国間の意思疎通には、安定的でビジョンのある関係が必要となる。人と人との交流と同様、信頼感がなければ継続は難しい。
中日両国が力を合わせれば、多くの事を実現し、アジアさらには世界にさらに貢献できる。中国と日本は世界第2と第3の経済大国であり、互いに融通がきく上、同じような社会問題に直面している。両国は、高齢化や女性の職場進出、高齢者の介護などの問題をともに解決することができる。中国は人工知能やフィンテックがより発達し、日本にも医療や保険など得意な分野がある。両国は相互に補い、相互に利益を与え、協力を通じてアジアのほかの国にも恩恵をもたらすことができる。