米国のアジアで最も親密な同盟国である日本は、米国がステルス戦闘機「F-22ラプター」の提供を拒否していることを常に気にかけている。ところが10年後、日本の次期戦闘機調達の大きな誘惑を受け、米国がついに口をゆるめた。
Nikkei Asian Reviewの23日の記事によると、米ロッキード・マーチン社は日本に「高級機能」を含む次世代F-22を提供し、かつ日本企業の開発・生産比率を50%以上にすることを提案している。さらには米軍にも配備されていないアップグレード版F-22を先に提供することで、日本にその性能に慣れさせる可能性もある。
ただのリップサービス?
報道によると、日本政府は高性能の戦闘機を提供しコストを下げるロッキード・マーチンの提案を、最も期待できる代替案としている。次世代戦闘機にかかる費用(開発・調達・メンテナンスを含む)は約6兆円を見込んでいる。
情報によると、このアップグレード版のF-22はより多くの燃料を搭載でき、最大航続距離は2200キロにのぼる、日本の離島防衛やその他の任務に使用できる。「F-22は世界で最も先進的なステルス能力を持つが、特殊コーティングが必要でメンテナンスが困難だ。アップグレード版のF-22は、F-35ステルス戦闘機と同じ材料を使うため、メンテナンスが容易になり戦闘に配備しやすくなる」
ロッキード・マーチンの提案は理想的に見えるが、日本の各界にはこれを疑問視する声が残る。最初の課題はコストだ。米国側は、次世代戦闘機の価格は日本が導入するF-35(約150億円)を大幅に上回ることを認めている。当初のF-22の生産ラインがすでに撤去されているため、アップグレード版のF-22を新たに70機生産するならば、単価は約240億円になる。140機を生産するならば約210億円まで下げられる。
それから、長年に渡り独自に戦闘機を開発したことのない日本企業が参与することで、生産が複雑化しコストが膨らむことも懸念されている。F-35の米国での製造コストは約100億円だが、日本で組み立てる場合は170億円に膨らむ。