日本の小野寺五典防衛相は23日、初となるインドとスリランカの訪問を終えた。両国に防衛協力の強化を提案し、安倍首相が主張する「自由で開かれたインド太平洋戦略」への協力を要請し、かつ中国企業が運営権を持つハンバントータ港を視察した。一部メディアは、小野寺氏が中国を名指しすることはなかったが、「南アジアで存在感を強める中国をけん制」する意図があったと伝えた。インドを訪問中の中国国務委員兼国防部長の魏鳳氏は同日、インド防衛相と会談した。インドメディアは、双方は相互信頼を構築し、戦略的意思疎通を強化する姿勢を示したと伝えた。
小野寺氏の訪問は20日より始まり、インドを訪問してからスリランカを訪れた。共同通信によると、日本とインドの防衛相会談で、双方は自衛隊とインド軍との間で食料や燃料を融通する「物品役務相互提供協定」(ACSA)の締結に向けた調整作業を行うことで合意した。同行者は成果について説明し、印日の協力が新たな段階に進み、中国をけん制することになると述べた。
小野寺氏のスリランカ訪問は、インドよりも「大々的」とされている。米VOAによると、小野寺氏はスリランカを初めて訪問した日本の防衛相になった。小野寺氏はコロンボで、シリセナ大統領、ウィクラマシンハ首相、ウィジェワルダナ国防相と会談し、ハンバントータ港とトリンコマリー港を訪問した。共同通信によると、防衛省関係者は、スリランカと日本の防衛協力は中国より遅れていると話し、焦りをにじませた。小野寺氏はスリランカ国防相との会談で中国を名指しせず、「自由で開かれた港の使用が非常に重要」と発言した。小野寺氏はまた、自衛隊の艦艇をスリランカに定期的に停泊させる「戦略的停泊」を推進する意欲を示した。