日本が宇宙エレベーターを実験 宇宙旅行はいつ実現?

日本が宇宙エレベーターを実験 宇宙旅行はいつ実現?。日本は今月、小型版宇宙エレベーターの実験を行う。宇宙におけるエレベーターの運動を実験するのは今回が初。日本の科学研究チームは2050年に宇宙エレベーターを作り、乗客を3万6000メートルの高空に送り届ける目標を立てている…

タグ:宇宙 エレベーター H2B ロケット 

発信時間:2018-09-18 10:09:25 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 疑問その一


 宇宙エレベーターはロケットと比べどのようなメリットがあるのか?


 人類は現在、宇宙に進出するためロケットを必要とする。高コストであり、地球環境にも影響を及ぼす。ブルームバーグによると、現在の国際商業衛星打ち上げにおいて、ペイロード1000グラム当たりの輸送費は約2万5000ドルから4万ドルとなっている。大林組は、宇宙エレベーターが完成すれば、これを約200ドルにできると見積もっている。


 中国航天科工集団第二研究院研究員、国際宇宙航行連盟(IAF)宇宙輸送委員会秘書長の楊宇光氏は「宇宙エレベーターの開発が成功すれば、その意義は宇宙旅行だけに限られない。まず、人類の宇宙進出の最大の障害になっているのはコストだが、宇宙エレベーターはこれを約1%に引き下げることができる。そうなれば人類は大量の物資を宇宙に送り込める。次に、宇宙エレベーターはより安全だ。ロケットは超高速で宇宙に入らなければならず、極めて厳しい環境に直面し、かつ宇宙飛行士にとっても非常に危険だ。宇宙エレベーターに乗ることができれば、非常に安定的に宇宙に進出できる」と述べた。


 疑問その二


 宇宙エレベーターの開発にはどのような難点があるのか?


 宇宙エレベーターの概念は100年以上前に打ち出されたが、未だに実現されていない。このプロジェクトには実際に、どれほど大きな問題が存在するのだろうか。世界科学技術研究ニュースサイト「PHYS.org」によると、宇宙エレベーターの重要部分はケーブルだが、その材質の問題が開発で最初に直面する障害になる。カーボンナノチューブの誕生は科学者に大きな希望をもたらした(強度は鉄の20倍以上)が、カーボンナノチューブの加工技術はまだ未熟だ。


 天体物理学博士、科学普及作家の孫正凡氏は「宇宙エレベーターの開発は、材料、動力、メンテナンス、コストの面に問題がある。材料についてはカーボンナノチューブを含むさまざまな構想があるが、これらの材料を使いいかに宇宙エレベーターに適した長さ、強度、重量比のケーブルを作るべきかは未知数だ。日本の小型版宇宙エレベーターの実験はこの模型により理論と現実の間にどの程度の開きがあるかを検証できる。短期的には構想を実現できないが、科学技術の突破は予見できないものであり、一歩また一歩と実現性を高めていかなければならない」と指摘した。


 楊氏は「材料のほか、宇宙エレベーターの建造中には、宇宙ゴミの回避、その他の衛星との衝突、エレベーターの断裂といった問題についても検討する必要がある。さらに地球の回転は完全に規則的なものではなく、宇宙エレベーターがその回転によりさまざまな問題に直面するかもしれない」と述べた。


 疑問その三


 宇宙エレベーターはいつ実現するのか?


 日本の科学研究チームによる宇宙エレベーターの実験が注目を集めており、多くの人がエレベーターによる宇宙旅行を想像し始めているほどだ。しかし現在の進捗によると、宇宙エレベーターはいつ実現されるのだろうか。楊氏は次のように分析した。


 日本の科学者が現在行っている実験は、宇宙エレベーターの関連技術と関わるとしか言えず、真の実現にはまだ程遠い。人類は現在、技術的に実現可能なプランを見つけていない。将来的に革命的な技術が登場し、新たな材料が開発され、その強度がカーボンナノチューブの1万倍に達すれば、宇宙エレベーターの開発は容易になるが、現時点では不明だ。また、その他の星に宇宙エレベーターを作ることが提案された。これは可能だが、現在のすべての研究は概念の研究であり、完全に建設に関する研究はまだ行われていない。


 3万6000メートルの宇宙エレベーターが実現できなくても、地上に100−200キロの高い塔を作ることができれば、非常に有意義だ。地上から物体を宇宙に送り込むには大気圏に突入しなければならず、この過程は複雑で高コストだ。ロケットを地上から飛ばさず、高い塔により100キロまで上げてから打ち上げれば、燃料を節約でき離陸環境も改善され、真空環境になる。このような塔を作るのは宇宙エレベーターよりも容易だが、現時点ではまだ実現できない。


「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年9月18日

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