日本政府筋は16日、3年前に強行可決した新安保法に基づき海外の軍事活動範囲を拡大し、初めてエジプトの「多国籍軍・監視団」(MFO)に陸上自衛隊を派遣することを検討していると明かした。
共同通信は「日本政府は年内にも首相官邸、外務省、防衛省による現地調査団を派遣。安全が確保できると判断すれば、年明け以降に司令部要員として陸自幹部数人を派遣する意向だ」と伝えた。
MFOには12カ国の軍人約1200人が参加している。米軍を中心としエジプトのシナイ半島に駐留し、エジプトとイスラエルによる1979年の平和条約の履行を監視している。
イスラエルは1967年の第三次中東戦争でシナイ半島を占領した。エジプトとイスラエルは1979年に米国の斡旋を受け、「エジプト・イスラエル平和条約」を結んだ。イスラエルはシナイ半島を返還した。米英仏伊豪などの国が1982年にMFOを開始し、日本は1988年より資金援助している。
MFOへの人員派遣は、日本が自衛隊の活動範囲をさらに拡大することを意味する。また新安保法の「国際平和協力法・PKO協力法」によると、自衛隊は平和維持活動に参加中、襲撃を受けた国連職員やその他の人員を救助する「駆けつけ警護」を実行できる。武器の使用範囲は自衛に限られない。
日本の安倍晋三首相を中心とする政府は2015年9月、多数の議席により国会で新安保法を強行可決した。この一連の法律は2016年に発効し、日本の平和憲法の制限を緩めた。自衛隊は全世界で活動し、米国などの同盟国の軍事活動を支援できるようになった。自衛隊が一部の国際機関の要請に応じ、国連の指揮下にない海外平和維持活動に参加できるようになった。
安倍氏は「積極的な平和主義」を鼓吹している。しかし防衛省は自衛隊の南スダーンPKO部隊の毎日の活動日誌を意図的に隠蔽し、国内でスキャンダルになっている。メディアは、防衛省のこの措置は、安倍氏の平和維持政策を支持していると批判した。日本は昨年5月、南スーダンPKO部隊を撤退させた。同年7月、稲田朋美防衛大臣(当時)が引責辞任した。
自衛隊の海外における平和維持活動は現在、2009年から続くソマリア海域のアデン湾における海自・陸自による護衛航行活動と、南スーダンPKOへの陸自幹部数人(司令部要員)の派遣に留まっている。
一部の観測筋は、安倍政権は新たな平和維持部隊を派遣することで、日本の国際平和への「目に見える」貢献とし、部隊が軍事衝突に巻き込まれる危険を回避することで、国内の批判をかわそうとしていると分析した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年9月18日