米宇宙ベンチャーのスペースX社はカリフォルニア州の本社で17日、月周回飛行を行う初の観光客を発表した。すべてが順調であれば、日本人経営者の前澤友作氏(42)が新型ロケット「ビッグファルコン」で月周回飛行する。
前澤氏は日本最大のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」の創業者、芸術品のコレクターだ。フォーブス誌によると、その純資産は29億ドルにのぼる。前澤氏は会見で「これは一生の夢だった」と話した。
前澤氏は、ファルコンのすべての座席を購入したと述べ、月周回旅行は2023年になると示唆した。「2023年に世界各地の6−8人の芸術家を集め、共に月に向かい飛行したい」計画中の月周回飛行は4−5日を予定。スペースXのイーロン・マスクCEOはツイッターで、「宇宙旅行を夢見ている一般人にチャンスを与える重要な一歩だ」と投稿した。
前澤氏は日本でもニュースで頻繁に取り上げられる人物で、近年メディアから注目を集めている。
前澤氏は高校時代は「問題児」だった。1975年11月22日に千葉県で生まれ、父は会社員、母は主婦だった。早稲田実業学校に合格し、順調に行けば早稲田大学に入学し、卒業後に大企業に就職できた。ところが高校2年生になると、前澤氏は音楽が大好きであることから自分のバンドをつくり、ドラマーになった。こうして一般人には想像もできないような人生を歩み始めた。前澤氏は音楽のため頻繁に授業をサボり、バンドの練習に必要な場所の費用と訪米の旅費を稼ぐため、建設現場でアルバイトをすることが多かった。前澤氏は卒業後、米国で音楽を半年以上学んだ。