日本メディアは20日、日本の河野太郎外相とロシアのラブロフ外相が、今月24−27日に開かれる国連総会の会期中に会談し、年内に露日平和条約を締結するというプーチン大統領の先ほどの提案について重点的に議論すると伝えた。
アナリストは、プーチン氏のこの提案は「即興」のように見えるが、実際には平和条約の締結、両国関係の正常化を実現するというロシア側の一貫たる立場を反映していると指摘した。これは日本政府の「先に領土問題を解決してから平和条約を交渉する」という立場と異なる。露日平和条約の締結をめぐり、双方は新たな外交の駆け引きを展開することになりそうだ。
異なる立場
トルトネフ・ロシア連邦副首相兼極東連邦管区大統領全権代表は13日、ウラジオストクで「プーチン氏は日本側に平和条約の締結を提案したが、これは日本との善隣関係を願うからだ。条約締結により二国間の平和関係を確立することは、関係をさらに発展させる基礎になる。ロシアは経済について話しているのではなく、これは交換可能な問題ではない」と表明した。
ガルジン駐日ロシア大使も先ほど東京で、「平和条約の締結は露日が友好協力の局面を共に創造する上で有利だ。露日間には現在、領土問題解決に必要な雰囲気が備わっていない」と述べた。
ガルジン氏によると、露日が平和条約を締結すれば、この条約には「露日のすべての未決の問題については、双方が受け入れ可能な解決策を模索するため、今後協議することになる」という内容が盛り込まれる。これには露日の国境線の画定、領土問題が含まれる。
しかしプーチン氏の提案は、日本側の立場とは大きく異なっている。日本側は徳川幕府が帝政ロシアと1855年に締結した「日露和親条約」に基づき、北方四島(ロシア名・南クリル諸島)は日本の領土と主張している。またロシアと先に北方四島問題を解消してから、日露平和条約を締結することを求めている。
日本は北海道以北の歯舞・色丹・国後・択捉の四島を北方四島と、ロシアは南クリル諸島と呼んでいる。これらの島嶼は第二次大戦前は日本領で、第二次大戦後にソ連に占領された。ソ連解体後のロシアが継承し、実効支配している。日本が四島返還を求めているため、双方の平和条約をめぐる協議が膠着状態に陥っている。