それから、中日はタイとの経済・貿易協力でそれぞれ強みを持つが、いずれもタイの友好協力先だ。海外の対タイ投資に占める日本の割合は約7割で、自動車製造、電器・電子、サービス業などの分野が含まれる。中国のタイへの投資はまだ少ないが、成長率が高く、製造、金融、農業、紡績業、鉱業などの分野が含まれる。中国は今やタイにとって最大の貿易相手国だ。中日がタイという第三国市場の開拓を選択したのは、両国のタイとの関係の特殊性によるものだ。
今年は中日平和友好条約締結40周年でもあり、両国関係が回復の流れを示している。李克強総理が5月に訪日し、日本側と「中日の第三国市場協力に関する覚書」に署名し、両国の第三国市場における協力を強化することで合意した。これは中日両国のタイにおける高速鉄道プロジェクトで協力するため、良好な雰囲気と政治的基礎をもたらした。両国首脳は、中日経済ハイレベル対話枠組み内で、部門を跨ぐ「中日第三国市場協力作業推進メカニズム」を構築し、関連協力フォーラムを開催することで、共通認識を実行に移すことを確認した。
国家発展改革委員会のけん引を受け、タイ東部経済回廊弁公室、在タイ中国大使館、在タイ日本大使館が共催する「タイ東部経済回廊中国・日本第三国市場協力国際シンポジウム」が5月31日、バンコクで開催された。中国、タイ、日本の政府・企業代表者が協力の可能性の模索を開始した。
高速鉄道の建設について、中日両国は資金、技術、人材、プロジェクト管理、施工材料などの面でそれぞれ強みを持つ。いかに協力の中で相互補完、効率的な連携を実現するかをめぐり、3カ国の企業は協力の模索に着手し始めている。
この協力は企業を中心とし、市場に導かれ、協力・ウィンウィンを実現する原則を守るべきだ。この協力は「産業+技術+資本+市場」という新しい協力モデルを見いだし、かつ東南アジアやアフリカなどに広げる可能性がある。(筆者・許利平 中国社会科学院アジア太平洋・世界戦略研究院研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年9月22日